自分に合ったボールを探そう

プロゴルファー/小林浩美

 本格的な夏、汗をたっぷりかいてゴルフをした後、大きなお風呂にゆったり入って、冷たい飲み物でのどを潤すと気分が最高に満たされる。

さて、そのゴルフ。これまでたくさんのクラブやボールが開発されてきた。私が最初にゴルフを始めたのはちょうど30年前。当時はパーシモンヘッドに糸巻きボール。パーシモンは柿木だから、同じ顔のクラブはない。微妙にヘッドの形や木目が違って、作り手の職人技が光っていた。ボールは、スモールボールとラージボールの2種類。硬さも90や100などあり、数が大きくなるほど硬かった。色も白以外にカラーボールもあったが、当時は雪の日に使うマイナーなイメージだった。

プロになってしばらくして、契約していただいているメーカーの全種類のボールを打ってみたことがある。一定に温度管理されたケースの中のボールを一つずつ出して、同じクラブで打つ。10種類以上あったが、ボールの飛び方は違った。あるボールは弾道が低く落ちてからよく転がる。あるボールは弾道が高く落下後あまり転がらない。大きく分けるとこの2パターンになり、キャリーとランの距離が少しずつ違っていた。プロの場合、キャリー(滞空距離)が3ヤードも違ったら大きく違う。際どいピンの位置を狙うとき、キャリーはいくつでピンまでの距離はいくつ、という数字を1ヤード刻みで把握する。それによって、どんな球筋でどんなクラブを使うのかを決める。だからボールを変えると、そのキャリーの距離とランする距離が変わってくるので、本番の試合で使う前におおよそ把握しておかなければいけない。

なぜ、おおよそかというと試合では思った以上に力が出る場合も多く、きっちりした距離をつかむのはやはり試合で、ということになる。だから、ボールによって飛ぶ高さ、滞空距離、落下後の転がる距離を把握しなければいけない。転がる距離は、グリーンの硬さによっても変わる。軟らかいグリーンは雨の後のようにすぐ止まりやすいし、硬いグリーンはよく転がる。その計算は大会ごとのグリーンの仕上がり具合によるので、練習日にきっちりつかんでおく必要がある。さらに言うと、湿気が多いとボールは飛びにくく、乾いた空気ならボールは飛びやすい。気温が低いとボールは飛びにくく、夏が過ぎ、冬になるとワンクラブ前後ボールの飛ぶ距離が違ってくる。

アマチュアの方は、クラブを変えた時、飛ぶ高さや曲がり具合、転がり具合をチェックする姿はよく見かけるが、ボールは意外と気にすることなくプレー中も変えて使っておられる。クラブが同じでも、ボールによって飛び方は変わるので要注意。クラブもボールも変えたら、どちらがどのように影響を与えているのかわからなくなってしまう。自分に合ったボールやクラブを見つけるのは、芯でボールをとらえている調子のいいときに限ります。

プロゴルファー/小林浩美(こばやし・ひろみ)
1963年福島県生まれ。89年にプロ初優勝と年間6勝を挙げ、90年から米ツアーに参戦、4勝を挙げる。欧州ツアー1勝を含め通算15勝。現在、日本女子プロゴルフ協会(LPGA)会長。所属/日立グループ。
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