渋谷と「ハチ公」でつながる、秋田ご当地鉄道事情 かつては寝台特急、いまは新幹線が東京と結ぶ

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奥羽本線に戻ると、八郎潟を左に見て北に走り、東能代駅では五能線を分ける。ここから米代川沿いに東に転進し、鷹巣盆地での鷹ノ巣駅では秋田内陸線と接続。そして大館盆地の大館駅にやってくる。そう、ハチ公の故郷である。

大館駅前のハチ公像
大館駅前の「秋田犬の里」にはハチ公像(撮影:鼠入昌史)

大館は、小坂鉱山・花岡鉱山などでにぎわった町だ。大館駅からも、鉱石輸送のための小坂鉄道が分かれていた。最後に残った小坂線は2009年に廃止されている。

大館からは花輪線も

また、花輪線も大館駅から分かれるローカル線の1つ。花輪盆地の鹿角市などを経て、湯瀬温泉郷の辺りで岩手県との県境。急勾配を抱えていることで知られ、かつては通称“ハチロク”、8620形蒸気機関車の三重連が見られる“撮り鉄の聖地”だったとか。

さて、ここまでやってくれば、あとはもう奥羽本線も県境を越えて青森県にゆくばかり。新幹線を除けば、特急が通っているのは奥羽本線と羽越本線くらいなものだ。

そしてその特急も、本数が少なくなっている。だから、新幹線以外はほぼすべてがローカル線ともいえる秋田県。どうせここまで鉄道の旅をしてきたならば、県都の秋田市などで終わらせず、ハチ公の故郷・大館まで足を延ばしてみてはどうだろうか。秋田犬とのふれあいも、楽しめますよ。

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鼠入 昌史 ライター

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そいり まさし / Masashi Soiri

週刊誌・月刊誌などを中心に野球、歴史、鉄道などのジャンルで活躍中。共著に『特急・急行 トレインマーク図鑑』(双葉社)。

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