戦術の使い手、信長にあって義経になかった視点 歴史の偉人に学ぶ「戦術」の遂行に必要なもの

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義経主従木像。信長や家康にあって義経になかったものとは?(写真:tenjou/PIXTA)
日本人は「戦略」(政治やビジネスなどを実行するための計画・方法)が好きな民族のように思われます。その割には、「戦術」(争いに勝つための方法)を軽視する傾向が強い。
しかし、当初に立てた「戦略」を遂行するために、刻一刻と移り変わる戦局にあって、積み重ねる作戦が「戦術」です。現場で作戦を遂行するリーダーに、なくてはならない能力といっていいでしょう。
戦術を学べば、今後、新規プロジェクトなどを進めるときに、間違いなく成功の確率が上がるはずです。戦い方、物事の見方、チームワーク活性化の必要性などについて、歴史家で作家の加来耕三氏の新刊『リーダーは「戦略」よりも「戦術」を鍛えなさい』をもとに、3回にわたり解説します(今回は1回目)。

新戦術を駆使した源義経の戦い方

戦術は新しいほう──これまでにない、という意味で──が有利、というのが合戦の大原則です。

すでに知られた戦術であれば、相手も対処のしようがありますが、まったく新しい攻め方に対しては、備えることもできず、一方的にやられてしまうこともありました。

例えば、日露戦争までは海上での戦いは、戦艦同士の大砲の撃ち合いで、その命中率が勝敗を決めましたが、その後、航空機を戦力として用いるようになりますと、いち早く“空”を制したほうが他方を圧倒することになりました。

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