新大河「光る君へ」平安&戦なしでも勝算大アリの訳 「異例中の異例」でも期待できるこれだけの要素

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まず主人公が女性であることについてですが、実際のところ、それほど珍しいものではありません。

「光る君へ」は63作目の大河ドラマですが、女性が主人公の作品は15作目。21世紀以降だけを見ても、「利家とまつ~加賀百万石物語~」(2002年)、「功名が辻」(2006年)、「篤姫」(2008年)、「江~姫たちの戦国~」(2011年)、「八重の桜」(2013年)、「花燃ゆ」(2015年)、「おんな城主 直虎」(2017年)の7作があり、通算でも15作目と、およそ4作に1作が女性主人公の作品です。

大河主人公にふさわしい平安の女性

ただ、2010年代は女性が主人公の作品を隔年で制作・放送されていました。ところが、「戦国や幕末に女性を活躍させる物語は無理がある」「戦のシーンが少ないうえに、主人公が蚊帳の外になるため物足りない」などと問題視されがちで、視聴率も苦戦したこともあって、ここ6年は男性主人公が続いていたのです。

しかし、制作サイドによると、「平安時代は戦国や江戸よりも、女性が自由でアクティブな時代だった」とのこと。男性を支えるだけではなく、彼らや社会に影響を及ぼす女性をむしろ描きやすいようなのです。その裏付けは、紫式部、清少納言(ファーストサマーウイカ)、赤染衛門(凰稀かなめ)ら女性作家たちが活躍でき、歌を残せたこと。つまり、「武家社会になる以前のほうが、女性が主人公として輝く大河ドラマを手がけやすい」という判断だったのでしょう。

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