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スズキ、シェア首位のインド死守へ地の利生かす 株価指標は決算絶好調のトヨタ自動車に比肩

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米中市場では事業を展開していない。

スズキSUV型のEV「eVX」
スズキは「eVX」を2024年秋ごろに投入する(撮影:尾形文繁)

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EVシフトの流れが変わり始めた。保護主義の高まりにより資源調達や製造の面で難題が噴出。販売停滞を見据え、欧米勢は投資計画の縮小に動く。
『週刊東洋経済』1月6-13日 年始合併特大号の第1特集は「EVシフト 絶頂と絶望」。アメリカのテスラと中国のBYDがグローバル市場を席巻する中、日本勢はどう動くか。熾烈なEV競争の最前線に迫った。
週刊東洋経済 2024年1/6・1/13年始合併特大号(EVシフト 絶頂と絶望)[雑誌]
『週刊東洋経済 2024年1/6・1/13年始合併特大号(EVシフト 絶頂と絶望)[雑誌]』(東洋経済新報社)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。定期購読の申し込みはこちら

スズキの2023年12月18日時点のPBR(株価純資産倍率)1.14倍は、絶好調のトヨタ自動車の同1.11倍と遜色ない。この2社以外の自動車メーカーのPBRは、1倍を大きく割り込む。相対的に見て、業界の中ではよい評価を受けているといえるだろう。

影響するのはやはりEVだ。中国市場において急速にEVシフトが進むあおりを受け、他社はガソリン車の販売で大苦戦する。一方、EVでは現地企業に価格差で勝てないという八方ふさがりの状態だ。

中国ほどではないがEVシフトが進む米国市場では、EVの販売台数で圧倒する米テスラを現地企業が必死に追う。日本勢は、存在感をほとんど示せていない。

主要市場はインドと日本

スズキはこの両市場に事業を持たない。日本勢は総じてEVで出遅れているが、スズキは対応に急を要していないわけだ。切迫度の差が市場評価に表れている。

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