6浪医学部「レール敷いた親」に抱いた複雑な感情 大阪歯科大に合格したが、医学部目指して浪人

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絶望の7浪目突入か……とも思われたのですが、竹歳さんはセンター試験が終わってすぐ、赤本を買いに行って、次の日から関西医科大学の対策に一点集中する決断をくだします。

関西医科大学 濱井正吾 浪人
関西医科大学(写真:公式サイトより)

「毎日やっているうちに問題の傾向が読めてたので、引っかかるかなと思っていた」と思った彼は、ついに6浪にして、初めて医学部に合格します。この結果を受けての反応は「やっと終わった……」という安堵だったようです。

かつては反発した家族への感謝

「後から生物の先生に言われて知ったのですが、合格者の中でも20番以内という成績優秀者だったそうで、驚きました。『6年かかってもいいから医学部に行かせてやりたい』と父親が言ってましたが、まさか本当に6浪するとは思いませんでした……(笑)」

6年間努力し続けて、成績を伸ばし続けた竹歳さん。浪人してよかったことについて聞くと、「予備校で違う世界を知れたこと」、頑張れた理由については、「家庭環境のおかげ」と答えてくれました。

「高校生活では部活を真面目にしていたので、勉強面では定期テストに全振りしていました。でも、浪人して環境が変わって、初めて医学部を受ける集団の熱量に触れられたことが、自分の人生にとってすごくよかったと思います。

大学のレベルを下げてでも現役で受かりに行くくらいなら、1年間勉強に全振りすることも人生においてそんなに悪いことではないと思います。1浪くらいはしたほうがいいと自分の子どもたちにも伝えています

大学に入ってからも彼は勉学に励み、関西医科大学から出る奨学金で学費を賄いながら、留年せずに大学を卒業します。

国家試験では1浪してしまったものの、試験に受かってからは大学に残って初期研修をしつつ、医師になって各地の救急病院を転々とする生活を続けました。医師になって20年が経った2024年の1月に開業予定とのことです。

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