6浪医学部「レール敷いた親」に抱いた複雑な感情 大阪歯科大に合格したが、医学部目指して浪人

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それからは毎回、復習テストのための勉強を徹底するようにし、毎日10時間をゆうに超える猛勉強をこなした竹歳さん。

ストレスで過食し、63キロだった体重が85キロに増えるほどの過酷な生活を送りました。それでも、今まで勉強しなかった分を1年では取り戻せず、この年も前年より成績は伸びたものの、関西の私立大学の医学部・歯学部を5つ受けて全滅しました。

4浪で大阪歯科大学に合格したが…

寮生活はこの年で断念し、2浪目からは寮をやめて、YMCA予備校の土佐堀校に移った竹歳さん。1浪目でレベルの高い仲間に囲まれて猛勉強した経験は、彼の意識を劇的に変えました。

YMCA予備校に行ってからは、物理の名物講師・服部嗣雄先生の指導方法が彼にぴったり合い、物理の成績がとても伸びたそうです。そうした理由からも、彼はこの予備校で、しばらく勉強を重ねることに決めました。

「2浪から4浪までは、朝の8時前後に予備校に着いてから自習室で21時までずっと勉強を続けていました。毎年少しずつセンター試験の成績が伸びたものの、3浪まではずっと400/800点台で、医学部4校と大阪歯科大を受け続けてずっと落ち続けていたんです。

しかし、地道に勉強を続けていたので、4浪の1月に突如成績がポーンと上がり始めたんです。4浪で受けた5回目のセンター試験で、初めて500/800点台を突破しました

4年間の我慢の勉強が身を結んだ竹歳さんは、この年も複数の医学部と歯学部を受けます。その結果、模試でC判定が出るようになっていた大阪歯科大学についに合格しました。

父も兄も大阪歯科大学の出身だったこともあり、家族も安心し、この合格の報せに肩の荷を下ろしたようです。しかし、彼の中での挑戦はまだ終わっていませんでした。

「大阪で歯科医をやるならこの大学だと思っていましたが、この結果で自信がついて、もう1年やったら医学部もいけるんじゃないと思ったんです。自分の目標はやっぱり医学部に行き、心臓について学ぶことでしたから。そこで家族に相談して、父には反対されたのですが、兄貴がやりたいことをやったほうがいいと言ってくれて、浪人を続けることができました」

金銭面を心配する親には、「できれば国公立に行ってくれ」という条件で、次の年の挑戦を許してもらいました。

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