6浪医学部「レール敷いた親」に抱いた複雑な感情 大阪歯科大に合格したが、医学部目指して浪人

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不退転の覚悟で挑んだ5浪目は、真面目に授業に出て勉強を続けたこともあり、ついにセンター試験で600/800点台を獲得します。彼はこの結果を受けて、前期試験で山形大学、B日程(現:後期日程)で秋田大学の医学部、滑り止めで関西医科大学と大阪医科大学を受験しました。しかし、結果は全落ち。この結果にはさすがに彼も堪えたようです。

「でも、自分で選んだ道なんだから、突き進まないといけないと思っていました」

毎年着実に物理の偏差値を伸ばし、70にまで到達していた彼は、ほかの科目に勉強時間をさくため、6浪目に突入するにあたって大きな決断をします。それは、予備校を変えることでした。

あえて授業を切る、大きな決断をくだす

YMCA予備校から駿台に学ぶ場所を変えた竹歳さん。4年間通い続けた勉強場所を変えたことも大きな決断ですが、この年、彼は何としても医学部に合格するため、勉強のやり方も脳に定着させることに重点を置いた勉強法に変更しました。

彼は自分が前年まで落ち続けた理由を「講義で聞いた内容を脳に定着させる時間が足りてなかった」ことと考えます。

「自分は講義型の授業に無駄を感じ始めていました。60分6コマの授業に40週間毎回出ても、試験でアウトプットできないと意味がないということに気づけませんでした。3浪目くらいからは授業を切って、脳に定着させる時間をもっと取るべきだったと思いました」

5浪目までのやり方を反省した竹歳さんは、朝早く予備校に行って、夜遅くまで勉強を続ける生活リズムこそ変えませんでしたが、勇気を出して授業をバンバン切ったそうです。

「授業に出ずに食堂で、YMCAでもらった4年分のテキストをひたすら解いていました。物理はもう、全統模試で70を切ることはなかったので、その勉強時間を前年より減らして、英語、数学、化学の勉強時間を増やしました。そうすると、愛媛大や山形大などの医学部では、B判定が出るようになりましたね」

ついにこの年こそ、自分に合った勉強法で合格をつかめるはずだと思った竹歳さん。しかし、肝心のセンター試験では難化した数II・Bでつまずいてしまい、638/800点と、8割を切ってしまいました。

「690/800点はないと医学部は厳しいので、前期で愛媛大、後期で山梨大の医学部を出したのですがダメでした。山梨大に至っては足切りを食らってしまいましたね」

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