データでわかる「万博開催年の株価」の驚く結果 「せまる大阪万博」いい投資タイミングはいつか

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さて、上表から開催年は株価が安くなる傾向が示されましたが、さらに開催年の株価を深ぼりして見てみましょう。

次の図は、大阪・関西万博でいえば、再来年に相当する開催年をより深く見た結果です。

万博開催後に株価はどうなる?

開催年を「開催前」「開催期間中」「開催後」の3つの期間に分けて、株価の動きを見ています。

「開催前」の騰落率は下落(赤字)が多くなりました。一方で、「開催期間中」と「開催後」は上昇(青字)が多く見られます。つまり、開催年をより細かく見ると、開催前までは株価は下げてしまいますが、実際に万博が始まると株価は反転上昇する傾向が強いということです。万博開催を契機に将来に向けた成長の期待を株価が織り込んでいくと考えられます。

ですので、万博にちなんだ株価のジンクスから投資タイミングについて、より深く考えるならば、この年末に投資するも、来年末に一旦は手仕舞うのですが、万博開催で再度、投資を考えていく姿勢がいいかもしれません。

吉野 貴晶 ニッセイアセットマネジメント 投資工学開発センター長

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よしの たかあき / Takaaki Yoshino

金融情報誌「日経ヴェリタス」アナリストランキングのクオンツ部門で、記録的となる16年連続で1位を獲得した後、ニッセイアセットマネジメントに入社。大学共同利用機関法人 統計数理研究所のリスク解析戦略研究センターで客員教授を兼任。青山学院大学大学院国際マネジメント研究科(MBAコース)で経営戦略、企業評価とポートフォリオマネジメントの授業の教鞭も取る。代表的な著書に『No.1アナリストがプロに教えている株の講義』(東洋経済新報社、2017年) 。

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