データでわかる「万博開催年の株価」の驚く結果 「せまる大阪万博」いい投資タイミングはいつか

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さて表で結果を見てみましょう。まず、注目したい点は開催年の騰落率です。それぞれの開催国で代表とされる株価指数の年間騰落率を見てみました。すると9回中6回が赤字です。表中の赤字は「株価が下落したケース」を示すものなので、67%の確率で下落しました。つまり、万博の開催年の株価は下がりやすいことがわかります。

しかし、上表の結果で、最も注目したいポイントは開催前年の騰落率です。9回中で8回が青字となっています。青字は株価が上昇したケースを示すものなので、おおむね9割の確率で開催前年は株価が上昇しました。

万博の開催前年は株価が高く、開催年は株価が安い

ここまでの結果を整理しましょう。「万博の開催前年は株価が高く、開催年は株価が安い」というものです。なぜ、このような結果になるのでしょうか。

例えば、今回の大阪・関西万博を例にあげてみましょう。万博費用が膨らんでいることは足元で批判されています。しかし増大した費用は、裏を返すと建設需要が増えることにもつながります。建設工事が増えることは景気を刺激する要因にもなります。

さらに、万博の開催地の夢洲では2029年に統合型リゾート(IR:Integrated Resort)が開業予定となっています。万博が1つのキッカケとなり、観光への需要が一層、盛り上がることで、わが国が目指す観光立国の実現も見込まれます。

こうした万博への期待が開催前年に「株高」となって表れるのです。しかし一旦織り込まれた期待が、出尽くしてしまうことで開催年は株安になると考えられます。

このような大阪・関西万博にちなんだ株のジンクスを使った投資を考えるなら、例えば日経平均株価のインデックスファンドなどを使って。この年末の投資も考えられるでしょう。

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