ソニーの伊庭保・元CFO、現役経営陣に提言

エレキ再生で「経営ビジョン明確化」など

 6月1日、ソニーの有力OBで初代最高財務責任者(CFO)の伊庭保元副会長が同日付で、同社経営陣に対し、エレクトロニクス事業の再生に向けて、経営ビジョンや事業戦略の明確化などを求める新たな提言を送付したことがわかった。都内で4月撮影(2015年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 1日 ロイター] - ソニー<6758.T>の有力OBで初代最高財務責任者(CFO)の伊庭保元副会長が1日付で、同社経営陣に対し、エレクトロニクス事業の再生に向けて、経営ビジョンや事業戦略の明確化などを求める新たな提言を送付したことがわかった。6月23日の定時株主総会を前に、ソニーの株主に訴える狙いがある。

伊庭氏が、同社経営陣に提言書を送るのは1月19日付、4月15日付に続き3回目。平井一夫社長、吉田憲一郎副社長ら経営陣とともに、社外取締役を宛先としている。「ソニー・スピリットが甦る日」と題した同提言書をロイターが入手した。

それによると、伊庭氏は、ソニーの株価が2008年のリーマンショック前の水準に迫るまで回復しているものの「解決されていない経営課題は残されたまま」と指摘。ソニー経営陣は「光り輝くエレクトロニクス事業の再生」を真摯に検討すべきと訴えている。

同社は、2015年3月期に人員削減などエレクトロニクスの構造改革に一定のめどをつけたとしているが、提言書では「構造改革のめどがついた今こそ、ソニーが進むべき方向を確認する必要がある」とした上で、ソニー取締役会に対し、ビジョンや戦略を深く議論するよう求めている。

提言書は、1)エレクトロニクスのビジョンを具体的なイメージを伴う形で提示する、2)5年先、10年先のエレクトロニクス事業のあるべき姿を提示する、3)分社化の戦略は曖昧のため、エレクトロニクス事業はひとまとめにする、4)取締役会には、技術に知見のある人材を起用する、5)新規事業の研究開発の資金調達を検討する、必要なら、トヨタ自動車<7203.T> が発行登録した種類株式を検討する――という5項目の対策を要請している。

ソニーには「気概持つ技術者」いる

新たな提言書について、伊庭氏はロイターの取材に対し「(ソニー再生を強く望むOBの)思いが株主に伝わればいい」と語り、23日の株主総会を前に改めて経営陣に改革を促す意向を示した。

提言書では、ソニーの強みが生かせる事業領域として、ロボット群、インターネット・オブ・シングス(IoT)時代のセンサーモジュール、リアルタイム制御技術、医療・スポーツ支援機器、次世代エンターテインメント向けAI(人工知能)、個人向けクラウドサービス──などをあげた。

伊庭氏は「ソニーには進むべき方向を示せば、イノベーションを起こす気概を持っている技術者がいるので上手くいくと思う」と指摘した。

また提言書では、6月1日から上場会社に適用された「コーポレートガバナンス・コード」にも言及し、同コードに則ってソニーは、2012─14年度の中期経営計画の未達成の総括、経営トップの報酬、取締役会の指名、後継者計画などの対応を徹底するよう求めている。

 (村井令二 編集:吉瀬邦彦)

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