リスニングを音的な理解だけだと思っている人が多く、簡単に「聞き流すだけでペラペラに」というファンタジーのカモになってしまうのです。音さえわかれば英語が聞き取れる、というのは大きな間違いです。
音に慣れ、意味の理解度を高めることが大事
音がわかっても、意味が取れないということは簡単に起こりうることです。音的理解と意味的理解はいわば腹筋と背筋の関係。両方同時に強くなり、体幹は初めて強くなっていくのです。前からしか見られないから腹筋だけしか鍛えない、というのがいかに非効率で不可思議なことか。
英語のリスニング力を上げる、というのはつまり、音に慣れ、意味の理解度を高めていくプロセスに他なりません。
この文章が聞き取れ、文字に書き落とせたとしても意味がわかっていなければ、答えようがないわけです。このなんとなく聞き取れたことを、だいたいリスニングはいける、と過信してしまっている人が多いのです。リスニングができるようになる、というのは文字と音を納得しながら解明していくプロセスです。
簡単な言葉で成り立っている文章なのですが、「あなたにとって何の得があるのか?」という意味を知らない限り、この文章を聞いてわかるようにはならないのです。
それはつまり、若い頃から何度も聴き続けているはずの洋楽の歌詞がいまだにわからないのと同じこと。
英語を使う現場に行って最も必要なことは「聞き取る」ことです。自分の言葉はいくらでも選べますが、相手の言葉は選べません。そして聞き取り、理解できない限り、そもそも自分の言葉を選ぶことすらできないのです。
英語のリスニングは特殊能力でもなんでもありません。端的に言えば「知っているか知らないか」の違いだけです。
英語のリスニングができるか、できないか?という問いに関して言うと「知っているものはできるが、知らないものはできない」すべてのレベルの人に共通する答えです。
同時通訳者レベルのスキルを持ってしても、当然知らない表現などが出てきたら聞き取れず、頼るのは経験と勘だと言います。コミュニケーションの中と、そして外で英語を聞く力を育てていくことはできます。
まずは、最もすべきで多くの人がしないこと、それは「聞き返す」ということ。プライドと、そして空気を読む日本人のマインドが邪魔をしてこの簡単な「聞き返す」をしない。
先に述べたように、これまでやってこなかったスキルなのだから最初はできなくて当然、というマインドを持つことから始めてみましょう。わからないとおかしい、恥ずかしいと思う必要は本来ないのです。
「わからないことをわからない」と言える強いマインドがあなたをしなやかに成長させてくれるのです。わからないこと、というのは今の自分の限界です。そこがわかったらしっかりそこをその場で解明する必要があるのです。
妙なプライドで知ったかぶりをしても、もっと恥ずかしい結果が待っているだけなのです。
まずは、この2つだけでも懐に忍ばせておきましょう。
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