「超高層ビルの呪い」が中国経済を襲う? <動画>上海に世界2位の超高層ビルが完成
興奮する大衆と慎重な投資家が見守るなか、上海タワーの完成が近づいている。しかし、超高層ビルの完成には経済危機が続くと警告する経済学者がいる。
超高層ビルの呪いはまたしても中国を襲うだろうか。前回、中国で最も高い超高層建築物が完成した2008年には、株式相場が大暴落した。
今夏、その向かいには、スチールとガラスでできた光沢を放つ建物が完成する。上海タワーは世界で2番目に高いビルになる。5月20日、その中を覗いてみた。「上海タワーの120階に来ています。ここからの上海の眺めはすばらしいです。他の中心商業地域が見え、有名な2つの高層ビルを見下ろすことさえできます。この眺めは、間違いなく旅行者の間で人気を博すでしょうが、このような立派な建築物はビジネスとして採算が合うのでしょうか」(ロイター・リポーターのJane Lanhee Lee氏)。
このような自己満足的なモニュメントに対する常軌を逸した投資は、結局、危機を引き起こすことになると考える経済学者もいる。
・ニューヨークのクライスラービルとエンパイアステートビルは、大恐慌の前触れとなった。
・世界貿易センターの場合は、1970年代初頭のオイルショックの前触れだった。
・クアラルンプールのペトロナスツインタワーの場合は、アジア金融危機の前触れだった。
・現在世界で最も高いビルであるドバイのブルジュ・ハリファの場合は、最近の金融破綻と時期が重なっている。
中国経済は大丈夫なのだろうか。上海タワーの完成は、中国の経済成長がここ四半世紀で最も遅く、株式市場の高騰が2008年に起こった前回の暴落以来、最大の水準となっている時期にあたり、新たな危機が懸念される。
しかし、ブルジュ・ハリファの設計にも携わった建築家のマーシャル・ストラバラ氏は心配していない。「世界で最も利益が出ている超高層ビルの一つはエンパイアステートビルだと思う。でも完成後の10年間まったく利益が出なかった。景気後退期に完成したからだ。それは、世界最高のビルの呪いにも当てはまると思う。完成直後に景気後退があったが、現在では、世界で最も借り手が多いビルの一つになっている。象徴的なビルだからだ。人々はそれを知っているから入居したがる」。
とはいえ、超高層ビルの呪いを信じている者たちは今夏、そびえ立つ輝かしい建築物が暗い時代をもたらすこと恐れて、投資をヘッジするかもしれない。
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