SNSで炎上する企業に共通する「痛恨のミス」4選 対応を間違えるとヤバい事態を自ら招くことに…

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考えてみるとそのとおりです。あなたのまわりにもSNSでわざわざ揚げ足を取ってあなたを陥れようとしたり、古い知識でマウントを取ってくるような人はそんなに多くはいないはずです。しかし、日常接することがないような言動をする人にまであなたが発信した情報が届いているということは、あなたが運用している SNSアカウントの影響力が想定以上に大きくなっているということそのものなのです。

批判的なコメントが書き込まれると大きく感情が揺れますが、まずは「自分が運用しているアカウントはそこまで影響力が大きくなっているのだ」と喜びましょう。そして対応策を冷静に考えましょう。

直接返信は火に油を注ぐだけ

では、この節であげた2つの事例については、どのような対応をするとよいのでしょうか。

相手がいることですので100点満点の対応はありませんが、いずれも非常にうまく対応されて大きな問題になることなく収束させることができました。

ポイントは、書き込まれたコメントに直接返信せず、新たな投稿で事実を淡々と説明することでした。

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1つ目の例では、新たに別の投稿で、自社で開発した優れた遮音性能を用いた建材の開発秘話を、開発担当者の声を織り交ぜながら紹介しました。

2つ目の例では該当する食品から虫が発生する条件についての詳細を、第三者が発信している研究記事を紹介しながらフォロワーに説明しました。

同じ内容でも書き込まれたコメントに直接返信すると、相手が逆上して論点をすり替えて不毛な議論が継続することにもなりかねません。議論がはじまってしまうと、自社の伝えている内容が正しかったとしても収拾がつかなくなることもあります。

イラっとしても、議論ではなく説明を。発端となったコメントに直接返信するのではなく、新たに投稿し、自社の正当性を理解してくれるフォロワーに丁寧に伝えることを心がけてください。

田村 憲孝 ウェブタイガー代表取締役、一般社団法人ウェブ解析士協会「SNSマネージャー養成講座」運営代表

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たむら のりたか / Noritaka Tamura

2010年より企業や地方自治体向けSNS運用コンサルタントとして活動。大手通信企業・地方自治体観光施策・著名アーティスト・大手商社・化粧品会社・メーカーなど、さまざまな業種のSNS運用をサポート。著書に『Facebook&Instagram&Twitter広告 成功のための実践テクニック』(ソシム)、『ビジネスを加速させる Instagramショップ制作・運用の教科書』『世界一わかりやすい ChatGPTマスター養成講座』(共に、つた書房)などがある。

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