SNSで炎上する企業に共通する「痛恨のミス」4選 対応を間違えるとヤバい事態を自ら招くことに…

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SNS運用における痛恨のミスその3:すべてをSNSで解決しようとしてしまう

このような場合の対処法は、現実の世界で原因となっている要素を取り除くことです。上記の例で言うと、「しつこい営業をやめる」ことです。SNSでいくら取り繕っても現実世界で不満を感じる人がいなくなるわけではありません。不満を感じる人がいれば現代社会ではSNSに書き込まれるのです。

逆に営業スタイルを変えたくないのなら、現実に起こっていることをユーザーが書き込む状況は受け入れなければいけません。

その他にも筆者が実際に相談されたケースを一部ご紹介します。これらすべて、現実世界での対応が必要なものです。

「採用試験の面接に訪れた学生が、人事担当者からの暴言混じりの失礼なメールをSNSに公開した」
→解決策 : 相手を問わずメールは社会常識に沿った文面を記載する。
「店員同士が内輪の会話に夢中になり、客の呼びかけにまったく答えなかった。大きな声で呼び続けると店員の一人が面倒くさそうに対応した」
→解決策 : お客様の目につくところでの会話は最小限にする。お客様にとって気持ちのよい対応をする。

SNSはオンラインのツールですが、その根本は口コミです。SNSがなかった時代にはリアルな知人と直接会って交わしていた噂話がネット上に文字として表現されるようになったものです。

あるいは、自分の頭の中だけで考えていたことがテキスト化され、スマートフォンの画面に顕在化し、多くの人が閲覧できるようになったものです。

オフラインもオンラインも同じ

人の口にフタができないことは、今も昔も、オフラインもオンラインも同じです。

自社が発信した投稿にクレームが書き込まれた時や、エゴサーチによって自社に対する不満について記載された投稿を発見した時などには、SNS上の振る舞いに原因があるのか、ネットの外であるリアルな世界に問題があるのか、見極めて対処するようにしてください。

SNSアカウントを開設した当初は、がんばって毎日投稿しても、ほとんど反応がない日が続きます。そこからある程度閲覧してくれるユーザーが増えてくると、他のユーザーが「いいね」をタップしてくれたり、コメントを書き込んでくれるようになってきます。この段階では自社にとって、あるいはSNS担当者にとって、ほぼすべてがありがたくうれしいコメントです。しかし、影響力が大きくなってくると状況が少しずつ変わってきます。うれしいコメントばかりではなく、批判的なコメントが書き込まれるケースが増えてくるのです。

取るに足りない言いがかりや個人的な不満のような内容なら、前述したように特に対応せずとも問題はありません。しかし、中にはSNS担当者にとってどうしても対応したくなるような批判や議論を投げかけられる場合があります。

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