SNSで炎上する企業に共通する「痛恨のミス」4選 対応を間違えるとヤバい事態を自ら招くことに…

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そして一部の悪意のあるユーザーはスクリーンショット機能を使い、企業アカウントから発信された不快な表現を用いた(と自身が判断した)投稿を画像として保存します。当然発信者である企業の SNS担当者は、見知らぬユーザーが自社の投稿を画像として保存していることなど知る由もありません。

悪意のあるユーザーによって投稿を画像化され保存されている状況の中、企業が該当の投稿を削除したとします。するとその直後、画像を保存していたユーザーはここぞとばかりに、「先ほど◯◯(企業名)が削除した投稿はこちらです」と、保存していたスクリーンショットを各SNSに投稿します。

自社アカウントではない悪意のある第三者が、削除済みの投稿を公開することの効果は絶大です。

まず、企業側が“自社の発言を隠蔽しようとした”という印象を他のユーザーに与えることができます。企業のSNS担当者からすると「これ以上不愉快に感じる人が増えるとよくない」と判断し、よかれと思って削除したケースでも、その真意を画像を見た多くのユーザーに伝えることは残念ながら非常に難しいです。

また、第三者が発信したスクリーンショットつきの投稿は、当初発信した企業にはまったくコントロールできない状態となります。企業が隠蔽したというレッテルを貼られた情報が拡散され続けているのを、指をくわえて見ているしかなくなるのです。

SNS運用における痛恨のミスその1:投稿を消してしまう

では、どうしたらよいのか? となると、それはケースバイケースであるとしか言えません。

速やかに謝罪する、追加で情報不足であったことを説明する、騒がせていること自体には謝罪しながらも騒ぎのきっかけとなった最初のコメントは明らかに事実誤認していることを伝えるなど、事象によって適切な対応法は変わります。

SNSの削除という行為の重み

最終的に削除するにしても、状況に適した対応をしたのちに「該当の投稿はのちほど削除いたします」と告知してから削除するようにします。この流れを踏まえることによって、隠蔽の意思がないことをユーザーに伝えることができます。

いかなる場合にも、クレームや悪評を発見しても反射的に要因となる投稿を削除してはいけません。削除せずに正しく対応すれば、当初コメントを書き込んだユーザーにも理解を得られ、収束できたはずのトラブルが、削除によってとんでもない炎上が発生する可能性があります。

まずは基本どおり責任者に報告をして判断を仰いでください。SNSトラブルの対処法として「いきなり削除」は最大の悪手です。

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