孫正義はいかにしてジョブズを口説いたか

交渉前に勝負を決める交渉術

ソフトバンクの孫正義社長の交渉術とは?(撮影:梅谷秀司)
孫正義氏は経営の天才であると同時に、交渉の達人でもある。創業当初から世界の名だたる企業家を口説き落とし、事業パートナーになることで、ソフトバンクの成長を牽引してきた。同社の社長室長を勤め、世界のトップを10秒で納得させる資料の法則(弊社刊)など孫正義氏の仕事術に関連する著作がある、三木雄信氏が、相手の「Yes」を引き出すその交渉の戦略や手法について語った。

 

5月11日に行われたソフトバンクの2015年3月期の決算発表会の内容は、売上高が前期比30%増で8.7兆円、純利益は前期比29%増で6684億円だった。これで、ソフトバンクの業績は5年連続で過去最高を更新することとなる。

また、ソフトバンク本体の社名を「ソフトバンクグループ」に変更することも発表された。これは、国内の携帯電話事業が利益を生む事業として安定したことを受けて、世界展開を積極化する戦略を踏まえたものだ。ソフトバンクは国内の携帯電話事業を完成させ、次のステップに踏み出したと言えるだろう。

Microsoft、Yahoo!、Appleを射止めたソフトバンク 

ソフトバンクの社長室長を務め、孫社長の懐刀として活躍してきた著者が、超多忙の孫社長が「一瞬でわかった!」と納得する資料の作り方を解説。売り上げ報告書からプロジェクトマネジメントシートまで、10種類の主要資料の作成のツボと考え方が1冊で学べる本です。上の画像をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします。
 

ソフトバンクの躍進のきっかけとなったのは、2008年7月からのアップル社iPhoneの独占販売開始だった。iPhoneなくして、ソフトバンクがNTTドコモやauと競争して現在のポジションを確立することは難しかっただろう。

2008年当時、新聞紙上では、ドコモとソフトバンクのどちらがiPhoneの販売権を獲得するかが注目の的となっていた。両社トップの交渉過程が、アップルの本社のある「クパチーノ詣で」として記事で取りざたされるほどだった。また、ドコモが本命でソフトバンクは当て馬にすぎないとの見方が大方の下馬評だった。

しかし、これに反してソフトバンクがiPhoneの独占販売権を得ることができたのは、孫正義が直接、ジョブズと長期間にわたって関係を構築してきたからだった。実は交渉が始まったときには勝負がついていたのだ。

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