ついに始まった米国「トヨタ信者」のトヨタ離れ EVに買い替えたいのに、その選択肢がない!

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長年トヨタを愛用してきたレイチェル・キューリンさん(Adam Riding/The New York Times)

レイチェル・キューリンは自らを、信頼性が高く燃費のよいハイブリッド車を支持する何百万人というトヨタのロイヤルユーザーの1人と考えていた。ところが彼女は最近、自身が乗っていたトヨタ「プリウス」をシボレー「ボルト」に買い替えた。トヨタの電気自動車(EV)展開が遅すぎたためだ。

「トヨタファンの選択肢はどこにあるの?」。アリゾナ州メサに住むキューリンは「本当に悲しい」と言った。

一時は環境意識の高い自動車オーナーにとってナンバーワンのブランドだったトヨタは、消費者の嗜好の変化と気候変動の主要因である化石燃料の使用削減を推し進める各国政府の動きについていくことができていない。

巨大市場の米中でシェア低下が進行

トヨタと日本の自動車業界は今、1980年代に世界的な巨人となって以来、最大のビジネス課題に直面している。その対応によっては、トヨタと日本の自動車業界が世界トップの座にとどまれるか、あるいは「その他大勢」に転落するかが決まる可能性がある。

世界最大の自動車メーカーであるトヨタは、日本の巨大な自動車産業の権力の中心にある。スバルやマツダなど、比較的規模の小さな自動車メーカーと提携関係を結ぶトヨタは、政府や業界団体に対し圧倒的な影響力を持つ。アメリカでも大量の雇用を抱える存在であり、ケンタッキー、インディアナ、テキサスなどの州で働く従業員は約3万人に上る。

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