ローソンで爆売れ「Kコスメ」支える黒子の正体 Z世代中心に「ロムアンド」のコラボ商品に殺到

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メイクはスキンケアと違い、トレンドの移り変わりが早い"ファストコスメ”だ。特徴的な発色や形状など、目新しいメイク商品が次々と発売されている。韓国コスメはSNSでの話題づくりなどマーケティングにも強く、著名人などを起用しながら幅広くファンを増やしてきた。

このトレンドを嗅ぎ付けたドラッグストアも、取り扱いを増やし始めている。低価格帯のセルフメイク市場において存在感は高まっている。

韓国コスメの躍進に欠かせないのが、メーカーを生産面で支える”黒子"の存在だ。ロムアンド含む多くの化粧品会社は、OEM・ODM(設計・製造受託)を活用している。韓国最大のOEM・ODM企業であるコスマックスは、2022年度の売上高が約2500億円。中国やアメリカでも受注を増やし、ロレアルなどの欧州企業や、マンダムなど日系大手とも取引実績がある。

同業の日本最大手は日本コルマーだが、国内外で取引があるものの、コスマックスには売上高で4倍以上の差をつけられている。

コスマックスは、5番目の海外法人となる日本法人を2021年12月に設立。2025年に茨城県の新工場が稼働予定だ。韓国コスメの巨大製造元が日本へ本格進出することになり、業界内では緊張感が高まっている。

トレンドに敏感な通販企業へアプローチ

コスマックスの日本上陸に期待を寄せるのが、国内に数多く存在する化粧品のファブレスメーカーだ。

コスマックスジャパンの魚在善社長は化粧品会社出身。マーケティングや卸会社など人脈は広い(記者撮影)

日本の中小化粧品メーカーの多くは自社工場を持たず、製造をOEMに委託することで商品企画やマーケティングに特化している。コスマックスジャパンの魚在善社長は「トレンド商品をスピーディーに展開したいメーカーは、(日本の)既存OEMに限界を感じている。われわれが商談に行くと『待ってました』と喜ばれた」と語る。

取引相手として期待を寄せるのが、売上高100億円前後の通販系企業という。新商品の開発に積極的で、広告運用のノウハウを武器にEC上で規模を拡大させていく気概が強い。今後は日本の化粧品メーカーも、韓国コスメの得意分野を積極的に取り込むようになるかもしれない。

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