花王コフレドールで波紋「大手ドラコス」の苦境 「プチプラ」「デパコス」は好調なのになぜ?

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ドラッグストアコスメ(ドラコス)の中でも「エース商品」だった中価格帯化粧品は、数年前から苦戦を強いられている(撮影:今祥雄)

「コフレドールが入っていない」

花王が成長戦略として掲げる「ブランドポートフォリオ」が反響を呼んでいる。2018年以降、化粧品事業は国内外で重点投資する約20のブランドを中心に商品群を絞ってきたが、当初は国内で注力するブランドの1つに中価格帯メイクブランド「コフレドール」を掲げていた。

しかし、9月26日の説明会で示されたポートフォリオでは、コフレドールが重点投資対象から外され、他ブランドに入れ替えられていた。選出対象外については、今後ブランドごとに統廃合などを検討していくという。これを受けてネット上では「コフレドールはどうなるの?」とブランド存続を心配する声が相次いだ。

コフレドールは、ドラッグストアを中心に2000~5000円程度の中価格帯で販売されている。ライバル商品は資生堂「マキアージュ」、コーセー「エスプリーク」だ。これらドラッグストアコスメ(ドラコス)のコフレドール含む大手3ブランドは、長年にわたって人気女優やモデルがイメージキャラクターを務め、女性たちの憧れを集めてきた。

活気をなくした売り場

季節の変わり目になると、中価格帯メイクブランドは店頭ポスターやテレビCMなどで露出を増やし、ドラッグストアの化粧品売り場を独占するエース級の商品群だった。こうしたマス向けブランドは化粧品メーカーにとって看板商品でもあったが、現在はその立ち位置が危ぶまれている。

「中価格帯メイクの売り場は活気がなくなっている。売れ行きの悪いブランドが多いが、リベート(販促費)をもらっているから場所を貸しているような状態だ」

ドラッグストアの幹部はこう明かす。2023年秋冬モデルでは、マキアージュが池田エライザ、エスプリークは新垣結衣がイメージキャラクターを務めるが、コフレドールは2020年の菜々緒を最後に“ブランドの顔”が不在だ。一体、何が起きているのか。

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