日経平均は4日続伸、「重要ライン」を回復 「短期筋」による先物買いで後場一段高に

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 5月13日、東京株式市場で日経平均は4日続伸。欧米金利の上昇に対する警戒感から、前日の米国株が下落した流れを引き継ぎ、主力株を中心に軟調なスタートとなったが、売り一巡後は切り返し、プラス圏に浮上した。都内で2010年11月撮影(2015年 ロイター/Yuriko Nakao)

[東京 13日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は4日続伸。欧米金利の上昇に対する警戒感から、前日の米国株が下落した流れを引き継ぎ、主力株を中心に軟調なスタートとなったが、売り一巡後は切り返し、プラス圏に浮上した。押し目を拾う動きが強まったほか、短期筋による先物市場での売買も指数を押し上げた。もっともギリシャ情勢に対する不透明感などが引き続き重しとなり、TOPIXの上昇率は0.12%と日経平均の同0.71%に比べ小幅にとどまった。

日経平均は後場に上げ幅を拡げ、1万9700円台を回復した。前日に2016年3月期の増収増益見通しと増配予想を発表したダイキン工業<6367.T>が買われたほか、先物主導の上昇に伴う裁定買いでファーストリテ<9983.T>やファナック<6954.T>が買われ、指数上昇に寄与。日経平均は終値で4月28日以来、約2週間ぶりに25日移動平均線(1万9759円68銭=13日)を上回った。

一方、外部要因に対する懸念が払しょくされず、当面はレンジ相場との見方も根強い。東洋証券ストラテジストの土田祐也氏は「東証1部の売買代金が安定的に高めに推移しており、下値を買っている投資主体の存在を印象付けているほか、短期筋による仕掛け的な買いも入り、戻りを試した。ただ国内企業決算がピークを抜けてくるなかで、再び外部環境頼みとなりやすく、明確な方向感は出にくい」とみていた。

個別銘柄では、清水建設<1803.T>が後場一段高。13日午後1時に発表した2016年3月期連結業績予想で、営業利益が前期比25.9%増の630億円となる見通しを示し、好業績を評価する買いが入った。午後2時に好決算と自社株買いを発表したアマダ<6113.T>は年初来高値を更新した。

またタカタ<7312.T>が売り買い交錯。同社製のエアバッグのインフレーターに不具合が見つかったことから、トヨタ<7203.T>と日産<7201.T>がリコール(回収・無償修理)の実施を発表した。市場では「タカタ株価に目立った反応は見られなかったが、これまで急ピッチで戻っていただけに目先は調整色を強めやすい」(国内証券)との声が出ていた。

東証1部騰落数は、値上がり869銘柄に対し、値下がりが880銘柄、変わらずが133銘柄だった。

日経平均<.N225>

終値      19764.72 +139.88

寄り付き    19568.76

安値/高値   19494.7─19791.88

 

TOPIX<.TOPX>

終値       1604.21 +1.94

寄り付き     1595.28

安値/高値    1589.35─1605.91

 

東証出来高(万株)279159

東証売買代金(億円) 29213.18

 

(杉山容俊)

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