「お金を思い切って使えない人」の深刻な問題点 若者こそ積極的にお金を支出すべき「7つの例」

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「うまくお金を使う」ほうが「うまくお金を増やす」ことより大切かもしれない。若いときの貧乏旅行など、お金を思い切って使ったほうがよい「7つの例」とは?(イメージ写真:Getty Images)

お金の話を書く。ただし、筆者は、お金の「増やし方」や「貯め方」の話を書くことが多いのだが、今回はお金の「使い方」がテーマだ。

「お金を気持ちよく使えない人」が増えている

この連載は競馬をこよなく愛するエコノミスト3人による持ち回り連載です(最終ページには競馬の予想が載っています)。記事の一覧はこちら

先日、楽天証券の「トウシル」というサイトで読者から筆者への質問を募集したところ、「お金を気持ちよく使えなくて困っている」という趣旨の質問がかなりの数あって、少々驚いた。

質問をしてくるのは、つみたてNISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)などでお金を蓄え、増やすための手続きをしっかり実践している人たちだったりする。

あるいは、すでに運用をうまくやって、ある程度の金融資産を作った人が、ファイナンシャルプランニング上、問題のない支出を行うときに、「投資を取り崩してお金を使えない」「お金を気持ちよく使えない」、果ては「お金を使おうとすると罪悪感が伴う」などと悩んでいる。

お金は使ってこそ価値のあるものだし、使い方によって効果が変わる。何よりもお金は、貯めたり増やしたりするよりも使うほうが楽しいのが普通だ。使ってもいいお金を気持ちよく使えないのは、よくない「症状」である。

だが振り返ると、2019年には「老後2000万円問題」が広まり、多くの国民が老後のお金に不安を持った。また、長年にわたって勤労者の実質所得は増えていないし、年功賃金の慣行が退潮にあるので、「将来の所得は増えるのだから、現在のお金は安心して使っていい」と若者にも言いにくい世の中だ。

加えて、新型コロナウイルスの流行のようなイベントに象徴される、将来の不確実性に対する不安感が影響しているかもしれない。これらはいずれも、「手元にお金(金融資産)を持っているほうが安心だ」と思う要因だ。

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