「お金を思い切って使えない人」の深刻な問題点 若者こそ積極的にお金を支出すべき「7つの例」

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例えば、筆者が新型のiPhoneの高級機が欲しくなったとしよう。値段はざっと20万円だ。

これは投資か? いや。前の機種を持っているから、できることはほとんど変わらない。仕事上の効果は変わらないので、経済価値を生む投資ではない。ただし、この判断は、筆者が現在スマートフォンを持っていないなら、圧倒的な「イエス」に変わるであろう。

では、これは得がたい経験消費か? いや。アップルはしばらくの間はつぶれないだろうから、毎年のように新型のiPhoneを出してくるに違いない。現在の機種が特別だと思える根拠はまったくない。

それでは、これは気晴らしのための消費なのだろうか。消去法的にそうなるし、実感としてもそのとおりだ。仮に筆者の年収を2000万円とすると、年間250日働いて1日8時間労働なら、時給は1万円だ。

新型のiPhoneを買うと、そのときも、セッティングのひとときも含めて、しばらく気分がいいことは知っている。では、それは20時間の追加労働に見合うか、否か。どうも、そこまでの労力を費やしてまで欲しいわけではないような気がしてきた。筆者の場合のiPhone購入は「ノー」だろう。

では、世界のプロボクサーである井上尚弥選手の次のタイトルマッチのチケットならどうか。これは前出のカテゴリー②だが、これなら十分「イエス」になるような気がする。

使うべきか、迷ったときの「計算の基準」は?

ちなみに、「5年で2倍」となる複利の利率は年率約14%だ。カードのリボルビング払いの利率がこれぐらいである。払う側では決してかかわってはいけないくらい「法外にお金が有利に働いたとき」の目安としておおよそちょうどいいのではないだろうか。これに勝るお金の使い方を、借金をせずにできるのだったら、おおらかにお金を使っていいのではないだろうか。

繰り返す。お金は、貯めるよりも、増やすよりも、使うのが楽しい。これが普通だ。

(本編はここで終了です。次ページは競馬好きの筆者が週末のレースを予想するコーナーです。あらかじめご了承ください)

次ページさて競馬コーナー。夏の3歳ダート重賞の勝ち馬は?
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