トヨタ、今期収益予想は過去最高益を更新 章男社長「挑戦の実行段階に」
[東京 8日 ロイター] - トヨタ自動車<7203.T>は8日、2016年3月期の連結営業利益が前期比1.8%増の2兆8000億円になる見通しと発表した。北米での販売好調や原価改善などが寄与し、3年連続で過去最高益を見込む。
トムソン・ロイターの調査によると、アナリスト30人の今期営業利益の予測平均値は3兆1790億円で、会社予想はこれを下回る。
今期の連結売上高予想は同1.0%増の27兆5000億円で、2年連続で過去最高を更新する見込み。純利益は同3.5%増の2兆2250億円で、3年連続(訂正)で過去最高を予想する。今期の配当予想は未定。
豊田章男社長は昨年5月の決算会見で、量をむやみに追わず質を求めるため、仕込み段階にあるとして前期は「意志ある踊り場」と表現したが、今年4月には新工場の凍結方針の解除を表明。新設計手法「TNGA」を導入した新車を年内に発売することなども踏まえ、今期は「意志ある踊り場から、まさに実践する段階に入った」と述べた。
また、「チャレンジしなければ成長は止まる。結果が出る出ないではなく、そのチャレンジの実行段階が始まった」と話し、「今年は持続的成長に向けた歩みを着実に踏み出すのか、それとも、これまで積み重ねてきた努力にもかかわらず元に戻るのか、大きな分岐点になる」とも語った。
意志ある投資も
今期の研究開発費は同4.5%増の1兆0500億円、設備投資額は同1.9%増の1兆2000億円を計画する。
豊田社長は次世代環境技術や高度運転支援システムなど「新たな成長分野での投資もまったなし」と述べ、工場における革新的な生産技術の導入なども踏まえ、「意志ある投資を進めたい」と語った。
今期の想定為替レートは1ドル=115円(前期は110円)、1ユーロ=125円(同139円)。今期は営業利益予想に対し、ロシア・ルーブル安などの為替変動の影響で450億円のマイナス要因となる。