ツルハの同族経営を問題視、オアシス「真の狙い」 北海道財界人事も批判、大型の業界再編を提案

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オアシスは「経営陣が自身の保身を優先して、事業統合を通じた企業価値の向上について適切な検討を行えていない可能性がある」と批判する。2021年10月に経営統合し営業利益率が大幅に改善したマツキヨココカラ&カンパニーを引き合いに「大手同士の経営統合が必要」と主張する。

「ツルハHDは創業家の比率が低く、脇が甘かった」「1年前、オアシスに迫られたフジテックの状況と同じ。持ち株比率をここまで高められては厳しい戦いになる」(業界関係者)との声が上がる。

オアシスのツルハHDに対する持ち分比率は12.8%。機関投資家などが賛成に回れば、オアシス陣営は3分の1を超え、13.3%を保有するイオンも賛同すれば過半数を超えるところまで追い込まれている。対してツルハHDの創業家側の持ち分比率は1割以下と、オアシスの株主提案を否決に持ち込むための壁は高い。

なぜツルハHDが狙われたのか

M&Aに頼らず自力出店で業界4番手に成長したコスモス薬品の場合、創業家側の持ち分比率は4割程度となっている。業界3位のマツキヨココカラはツルハHDと同様に10%以下と低いが、時価総額はツルハHDの2倍もあり割安感が薄い。最大手のウエルシアHDはイオン子会社だ。株主構成や時価総額ともに中途半端なツルハHDが、オアシスに狙われた格好だ。

6月26日に開催された決算会見でツルハHDの鶴羽社長は、株主提案の内容について「事実かどうかも含めて取締役会で議論後、発表する」と言及を避けた。大株主であるイオンとの関係性についても「今まで通り会議などには参加しており、以前と変わらない」と述べるにとどめた。

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