「ファイナルファンタジー」が直面する大問題 世界的RPGはかつての輝きを取り戻せるか

拡大
縮小
6月22日にプレイステーション向けに発売された『ファイナルファンタジー16』は、これまでの”失敗”を修正しようとさまざまな工夫をしている。(© SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. LOGO ILLUSTRATION:©2020 YOSHITAKA AMANO、FINAL FANTASY, SQUARE ENIX and their respective logos are trademarks or registered trademarks of Square Enix Holdings Co., Ltd.)

ロールプレイングゲーム(RPG)という媒体を通じて壮大な物語を紡ぎ出し、多彩なキャラクターを登場させることで1990年代に名声を獲得した『ファイナルファンタジー(FF)』。新作が登場するたびにファンたちは、それがシリーズの輝きを取り戻す名作となることを願ってきた。

だが、過去15年間の作品はそうした期待には届かなかった。7年前にリリースされたナンバリングタイトルの直近作『FF15』にがっかりしたファンは少なくない。ストーリーラインに一貫性がなく、キャラクターにも記憶に残るような特徴がなかったためだ。メーカーでさえ、失敗と認める姿勢を隠していない。

新旧ファンを同時に満足させる難しさ

35年の歴史を持つ『FF』シリーズを手がけるスクウェア・エニックスは、6月22日にプレイステーション5向けに発売された『FF16』で、これまでの失敗のいくつかを修正しようとしている。

だが、『スター・ウォーズ』などと同様に、シリーズを長期にわたって続けていくには、熱心なオールドファンを満足させながら新たなオーディエンスを獲得するという、難しい綱渡りを要求される。

『FF16』にとってそれは、何人ものキャラクターの組み合わせを管理する機能や独特で風変わりなトーンの廃止など、これまでのメインシリーズの根幹ともいえる特徴から離れることを意味した。

次ページシリーズで初めて「17歳以上向け」のレーティングに
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT