"27歳女子"に企業の熱視線が集まる理由 今こそモヤモヤを捨てキャリア戦略を!

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「資格を持つ」「上司と飲みに行く」「英語を話せるようになる」……。28歳女性の朝会では、10年後の自分のありたい姿を想像し、そのために今から何をすべきかを書き出した

4月のある平日の早朝、28歳の女性が集うある「朝会」を訪ねた。テーブルを囲んで、参加者が口々に将来のキャリアについて語っている。

この朝会は、人材会社のエン・ジャパン、クチコミサイト運営のウェディングパーク、ソーシャルゲーム大手のドリコムの3社が共同で開催したもの。

「自社内だけだとロールモデルも限られているし、悩みを語り合う機会もなかなかない。他社で活躍している同世代の話を聞くことが刺激にもなると思いました」。

幹事の一人、ドリコム広報部の佐藤志穂さんが会の趣旨を説明する。佐藤さんは自身も28歳だ(開催時)。

開催を早朝にしたのは、参加者の多くが連日の残業で夜は抜けられないという現実があるためだ。各社内で大きな期待を背負いながらバリバリと仕事に猛進しているのが彼女たちの日常なのだ。

20代女性の「現実的なイメージ」

「社内貯金が必要だ」と話す女性は、子どもの体調による欠勤を余儀なくされても、社内の信頼をえている先輩たちを身近に見てきた。

「30歳で結婚。子どもは2人、35歳までには出産を済ませたいな。30代のうちは子育てと両立が大変そうなのでバリバリは働けないけれど、時短勤務制度を利用して働き続ける予定です」。時短で仕事を続けることについて、現実的なイメージを持っているようだ。

「短時間でも生産性を上げられるように」と発言した女性は、「結婚して子どもができたら、仕事より家庭に重心を置きたいと考えています」と話す。

就職活動をしていた際には、子育てをしながら働き続ける自分は想像していなかったという。「専業主婦になろうと本気で思っていました。でも、子どもができてもある程度の生活レベルを維持するためには共働きは必須だと思うようになって。今の仕事は楽しいので、”どうせ続けるなら”この仕事でと考えています」。

テーブルを囲んだ参加者の中には、早くも独立を模索している女性もいた。「今の仕事で実績を上げて早めに独立したいと思っています。でも出産も早くしたい。そう考えると出産後は今の会社に復帰したほうがいいかなって考えるようになりました。会社員として、子育てとの両立を頑張ってから独立を考えたほうがいいのかもしれません」。

彼女は既婚で、同じ会社で働く夫も同じく独立を志している。自分のキャリアアップと出産のタイミング、さらには夫の仕事の状況とのバランスに悩んでいた。

結婚、出産を経ても企業で働き続ける女性は少しずつ、でも着実に増えつつある。同時に、子育てと仕事の両立に奮闘する女性たちの姿も多く話題に上るようになり、今の20代女性たちは、自らがたどるだろう将来のキャリアについて、より現実的に考える機会が増えている。

いまの30~40代ワーキングマザーは、ロールモデルが限られる中、暗中模索でそれぞれに自らのキャリアを作ってきた。三原氏は言う。「いまのワーキングマザーにはロールモデルがなく、出産後『いきなり本番!』を強いられてきた。必要に迫られて初めて働き方を変えたり、キャリアを真剣に考え直したりした。続く若い世代は、参考にすべきロールモデルも増え、それなりの準備期間があるはず。結婚前にこれからのキャリアを線で考えるような機会を持ってほしい」。今の仕事を続けるにせよ、キャリアチェンジを図るにせよ、20代後半からの準備が重要なことは言うまでもない。

堀越 千代 東洋経済 記者

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ほりこし ちよ / Chiyo Horikoshi

1976年生まれ。2006年に東洋経済新報社入社。08年より『週刊東洋経済』編集部で、流通、医療・介護、自己啓発など幅広い分野の特集を担当してきた。14年10月より新事業開発の専任となり、16年7月に新媒体『ハレタル』をオープン。Webサイト、イベント、コンセプトマガジンを通して、子育て中の女性に向けた情報を発信している

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