物流倉庫の賃料、値上がり基調はどこまで? ネット通販の競争激化が倉庫相場を押し上げ

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千葉県湾岸にある高機能物流倉庫(写真:風間仁一郎)

首都圏向けの高機能物流倉庫の賃料が、じわりと上昇している。

不動産情報サービス大手・CBREによると、首都圏の大型物流倉庫(延べ床面積1万坪以上)の賃料は、2015年からの2年間で2~4%上昇する見通しだ。

インターネット通販の伸びを背景に、企業の需要が旺盛だ。アマゾンや楽天、ヤフーなどが即日配送サービスなどを拡充している。一方で、実店舗を持つ小売業者もネット販売を強化している。この流通業界における競争激化が、首都圏の倉庫需要を押し上げている。

倉庫用の土地不足が深刻

供給も不足している。これまでは都心への距離が近い「東京湾岸エリア」や、東京外かく環状道路に囲まれた「外環道エリア」を中心に倉庫が集積していた。しかし、こうしたエリアでは土地不足が深刻で、新しい施設の土地を見つけるのは難しい状況だ。

そこで、横浜を起点に東京近郊を環状に結ぶ「国道16号エリア」や、さらにその外側に当たる首都圏中央連絡自動車道に沿った「圏央道エリア」で、急ピッチで新施設の建設が進められている。ただ、これらの新倉庫が稼働を始めるのは2015年後半以降である。

物流倉庫の高機能化も賃料を押し上げている。多品種少量配送、配送時間短縮化など、企業の需要に対応すべく、トラックが各フロアに直接乗り入れできるランプウェーやスロープを備えた倉庫が増加中だ。移動棚や自動仕分け機など、最新鋭の機器が設置される事例もある。

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