中国人の私が帰化して新宿区議選に出る理由 「当選すれば、民主主義のない中国は大打撃」

拡大
縮小
「中国にはない、民主主義をしてみたい」と語る李小牧(り・こまき)氏。今年2月に日本国籍を取得、新宿区議会選挙に出馬へ。「日本に住む外国人と日本人との架け橋になりたい」と意気込む
前半戦が終了した今年の統一地方選挙。後半戦も多くの自治体で選挙が行われるが、東京都新宿区の区議会選挙では、異色の“日本人”が立候補する予定だ。それが、李小牧(り・こまき、リ・シャム)氏である。
日本在住27年、留学生として来日した後、同区内にある日本一の歓楽街・歌舞伎町の「案内人」として著書も多数あり、日本でも知名度が高い人物だ。李氏は今年2月に日本国籍を取得したばかり。なぜ李氏は今回の地方選挙に出馬するのか。李氏の胸の内を聞いてみた。

 

――日本国籍を取得してわずか2カ月。日本国籍者として早速の権利行使です。

すべては私の好奇心からです。私はもともと好奇心が強い人間。そして、日本に住みながら日本と中国のことを考えてきたのですが、その考えと好奇心が立候補へと押し上げました。

「中国ではできないこと」が、日本ではできる

――帰化申請前から「民主主義をしてみたい」と発言されていました。

そうです。自分も投票できて、選挙にも立候補できる。これ以上の民主主義はありません。中国にいる限り、こんなことはできない。日本に来て、私はやりたいことをすべてやってきました。それは、本を出す、新聞を出す、ラジオやテレビなど放送にも出るということ。これらはみんな言論の自由です。民主主義の一つですが、これが中国にいてはできないものです。

言論の自由を楽しみにながら、もちろんおカネもたくさんかかりましたが(笑)、さらに感じたことがあるのです。私がプロデュースした中華料理店にはこれまで、(1989年の)天安門事件に参加した民主化活動家が多くやってきました。

中国を離れて、米国やカナダ、欧州、台湾などからいろんな活動家がやってきて、私のお店で侃々諤々の議論をやっている。彼らの話を聞きながら、「民主主義はこういうことなんだ」と、ますます民主主義に関心を持つようになりました。

次ページ私が当選すれば、中国でビッグニュースになる
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT