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「ニューズピックスは売却しない」CEOが語る覚悟 ユーザベース佐久間氏に聞く上場廃止後の道筋

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カーライルによるTOBで上場廃止したユーザベース。「ニューズピックス」の成長が大きく鈍化する中、打開策はあるのか。

「時期は未定だが、再上場を必ず果たす」と語った佐久間CEO(撮影:今井康一)
経済情報プラットフォーム「SPEEDA(スピーダ)」や経済ニュースメディア「NewsPicks(ニューズピックス)」を手がけるユーザベースが、2023年2月に上場廃止した。アメリカのPE(プライベートエクイティー)ファンド、カーライル・グループの株式公開買い付け(TOB)に応じ、同社の傘下に入った。
2022年12月期はニューズピックス事業の不振で前期比で大幅な営業減益に陥るなど、上場から約6年で成長の壁に直面したユーザベース。再成長の戦略をどのように描いているのか。佐久間衡・代表取締役Co-CEO(共同最高経営責任者)に聞いた。

非公開化前の状況は「心安らかでなかった」

──2022年11月にTOBに応じることを表明し、2023年2月に上場廃止となりました。一連の経緯と背景について聞かせてください。

売り上げ規模は上場初年度の31億円から、直前の2022年度は公表ベースで182億円と、6年間で約6倍へ成長した。利益の面でも、アメリカの経済ニュースメディア「Quartz(クオーツ)」事業から撤退した2020年度を除き、安定的に営業利益を出せている。俯瞰すると、一定程度順調に成長することはできていた。

一方で、クオーツから撤退して以降の明確な成長ストーリーを作ることができていなかった。クオーツ撤退の責任を取り、創業者の梅田優祐が代表取締役CEO(最高経営責任者)を辞任した後、2021年1月から私ともう1人の共同創業者である稲垣裕介との共同CEO体制になったが、株価はずっと下がり続けていた。

そうした中で、株式の非公開化というオプションをある社外取締役の方から提案されたことが、カーライルのTOBに応じるきっかけとなった。

──非公開化に向けてのためらいはなかったのでしょうか。

最初は正直、全然乗り気ではなかった。

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