苛烈な金利競争でメガバンクに迫る危機

生保や証券にも迫られるビジネスモデル転換

銀行、保険、証券・・・金融業がビジネスモデルの転換を迫られている。

背景にあるのは、長引く超低金利だ。スイスでは、短期のみならず10年物の国債までもマイナス金利になるなど、世界的に金利が異常なほど低下している。日本でも、1月下旬に10年債利回りが過去最低となる0.195%を記録している。

こうした市場金利の低下は、銀行にとって思いっきり逆風だ。銀行は「預金を預かり、カネを貸し出し、それに伴う利ザヤを稼ぐ」というのが基本的なビジネスモデル。貸し出す際の金利は、市場金利が重要な指標となる。

3メガのうち2行の総資金利ザヤがマイナス

日本銀行調べによる国内銀行の新規貸出約定平均金利は、直近ピーク(2007年7月)の1.826%から低下傾向が続き、2015年2月には0.805%まで低下している。メガバンク3行のうち三菱東京UFJ銀行とみずほ銀行の2行の2014年9月中間期の総資金利ザヤ(資金運用利回りから資金調達原価を引いたもの、国内業務部門)は、そろってマイナスだった。

総資金利ザヤは、M&A仲介や投資信託販売などの収益は含めない一方、それらの経費は含めるため、これらの業務を幅広く展開している銀行は、低く算出されがちな傾向はある。しかし、資金収益は銀行の基本。それがマイナスになっていることは、3月末まで全国銀行協会会長を務めていた平野信行三菱東京UFJ銀行頭取も「大変危機的な事態ととらえている」と認識する。

だが、貸出金利が低下している最大の理由は、金融機関同士の競合だ。メガバンクの法人融資担当の幹部は言う。「金利競争がものすごく過熱している。行き過ぎている。将来に禍根を残すのではないかというぐらいの気持ちを持っている」。

国内銀行の預金は合計で650兆円超。これに対し貸出金は約450兆円。2000年ごろまでは、貸出金のほうが預金よりも多かったが、今では預金が貸出金を200兆円以上も上回る。銀行は貸し出し先探しに必死だ。

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