3メガバンクが直面する最大の危機

2行の根幹業務が「赤字」という深刻事態!

「総資金利ザヤが一部の銀行でマイナスになっているのは、たいへん危機的な事態だ」

10月18日、東京・大手町の全国銀行協会(全銀協)で開かれた記者会見。同協会の会長を務める平野信行三菱東京UFJ銀行頭取は、厳しい表情で記者の質問に答えた。

一部の銀行で総資金利ザヤがマイナス――。つまり調達した資金を運用して得られる利回りが調達資金の原価を下回るという事態に陥っている。これは商業銀行の根幹業務が赤字に陥っていることを示す一大事だ。

「なぜこのような状況になるかというと、基本的には需給の問題。これを個別行のレベルで大きく変えることは難しい」

貸せる資金は増えているが…

銀行に預金が多く集まり、銀行が貸せる資金は増えているのだが、企業や個人など資金の借り手の需要の伸びがいま一つ。その結果、銀行間の貸出競争が激しくなり、貸出金利の低下が続いている。

そしてこの危機的事態に陥っている一部の銀行、それがまさに平野頭取が率いる三菱東京UFJ銀行なのである。

この総資金利ザヤの計算では、役務収益(投信・保険の販売など)にかかる経費も含まれる一方、役務収益は加算されない。三菱東京UFJ銀行は役務収益が拡大しており、その経費のみがカウントされる総資金利ザヤは低く算出される傾向にある。総資金利ザヤがマイナスであっても、投信・保険販売やM&A仲介など手数料ビジネスで収益を上げられていれば、銀行全体として赤字決算に陥ることはない。

だが、国内の資金運用業務は多くの人員を割いている本業中の本業。そこで利益が稼ぎにくくなっている状況は、まさに「危機的な事態」なのである。

2014年3月期の三菱東京UFJ銀行の総資金利ザヤはマイナス0.03%。みずほ銀行もマイナス0.00%(少数第3位以下も含めるとマイナス、2013年4~6月の統合前のみずほコーポレート銀行を含む)。3メガバンクでは三井住友銀行だけがプラス圏を維持しているが、それでも0.44%と極めて低い。

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