朝活は、パワーランチより「楽メシ」! 仕事の成果より「ギョーザの流儀」

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ちなみに、外食続きだと栄養面が心配、という方も多いのでは。先のこばたさんは、外食続きのビジネスパーソンに「最低3種類」の法則を教えてくれた。ご飯やパンなどの「主食」に加え、肉や魚などの「主菜」、サラダなどの「副菜」の3種類。たとえば牛丼なら、サラダとみそ汁などを加えてみる。

「ビジネスパーソンの食に必要なのは“選食”。外食続きでも、食べ合わせを考えてメニューを選べば“戦食”に変わります」

出張の多い佐々木久美子さん(42)にとっても、食事は「戦食」だ。4年前、地元・福岡でIT関連企業「グルーヴノーツ」を立ち上げ、現在は営業拠点の東京と行ったり来たりの生活を送る。その毎日のエネルギーになるのが「食」だが、その食べ方には性格が表れる。

たとえばおいしいと評判の寿司屋に入っても、食べるのは好物のイクラとウニばかり。「ここの赤身はオイシイよ」と言われても耳を貸さない。「おいしさがイクラ以下だったら、全体の満足度が下がる」と、好物にしか手を出さない。実は佐々木さん、元エンジニアで、「プログラミングをしていたら24時間経っていた」というほど、驚異の集中力をもつ。「目の前のネタに一球入魂」の姿勢は、この集中力の表れかもしれない。

おいしいものを見つけると、連続してそればかりを食べ続ける「マイブーム」に陥る。これまで、そのおいしさに触れていなかった人生を取り戻すかのように。焼き鳥、スリランカカレー、うどん……。ゆで卵がマイブームになったときは、「板東英二さんより私のほうが食べていた」。

広がった食への意識の幅

ただ最近、食の役割が変わりつつあるという。現在、佐々木さんは、経営者の立場にある。ひとつの作業に没頭できたエンジニア時代と違い、幾重にも予定が続く1日にストレスを感じることもある。食は「ほっとできる」癒やしのツールに変わった。

忙しい毎日でも、自宅ではほぼ自分で料理を作る。疲れて帰った日ほどキッチンに立ち、料理ができたらダイニングテーブルをきれいに片づける。以前は、食事中のテーブルにパソコンや資料が置かれていることも多かったが、いまはテーブルをまっさらにし、そのうえで食事と向き合う。

エンジニアから経営者へ。仕事の幅に合わせるように、食に対する意識の幅も広がった。

「1日3回という短いサイクルで、ストレスを解消してくれる。それが食のありがたさです」

(編集部:齋藤麻紀子)

AERA 2015年4月6日号
 

 

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