シャックバーガーは「マック的常識」を覆す 「ハンバーガー界のスタバ」の凄みとは?

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――米スターバックス本社の幹部であるジョン・カルバー氏は「人材や店舗デザインという点でサザビーの協力が不可欠だった」と言っていた。そういう面での期待も大きいのか。

われわれが目指すのは、店舗に入ってもらって、シェイク・シャックならではの体験をしてもらうということ。今回サザビーと組んだのは、それを提供するための人材の確保ができるということも大きな理由の一つだ。

スターバックスはサードプレイス(家とも職場とも違う第3の場)と謳っているが、シェイク・シャックもその概念をシェアしている。近所の顔見知りが集まって会話を楽しむのが50年前のハンバーガーショップのスタイルだった。なくなってしまったその形態を、今の形で実現したのがシェイク・シャックだ。

――2016年には東京に日本1号店を出店する。

日本は食に対して成熟した市場だと認識している。都会的な面もあり、時間をかけて立ち上げていくことが大事だと考えている。2020年までには10店舗を展開する。

成熟市場こそ「いいもの」にチャンス

「日本市場は成熟しているからこそ、チャンスがある」とガルッティCEO(撮影:尾形文繁)

――これから日本は人口減少社会を迎える。外食市場もピークアウトしている中、どこに勝機があるのか。

人口の縮小という現実的な数字は理解している。わかっているからこそ、次のステップとして、食材がいいものを出しているところは受け入れられると思う。成熟しているからこそ、ブランドに対する理解ができる市場という意味でチャンスはある。

――マクドナルドは日本に3000店ある。そういう規模を目指していく考えはあるか。

われわれは非常に忍耐強く、慎重な企業だ。マクドナルドのような巨大な事業をやっているわけではない。少しずつやっていこうとしか思っていない。違うベクトルの事業であるということだ。

高品質な材料、デザイン面でのアプローチ、体験を売るというブランド価値。そういうところでマクドナルドとは違うと認識しているし、比較対象ではないと思っている。

――日本での価格設定は?

そこは検討している最中だ。素材へのこだわりを確保しながら、決定したい。もちろん、一般的なファストフード店よりは高い値段になる。

1号店は都市部に出店するが、必ずしもそこにはこだわらない。人口の多さではなく、地域のコミュニティが受け入れてくれるかどうかが重要だ。

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