任天堂とDeNA、二人三脚で何を狙う? スマホゲーム資本業務提携会見の詳報

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会見に臨む任天堂の岩田社長(左)とDeNAの守安社長(撮影:今井康一)
 異色の組み合わせはどんな化学反応を生み出すのか――。ゲーム機大手の任天堂とソーシャルゲーム大手のDeNAは3月17日、業務資本提携の締結を発表した。両社は今後、グローバル市場を対象にスマートデバイス向けのゲームアプリを共同で開発・運営していく。
 提携合意に伴い、任天堂はDeNAの株式10.0%を、DeNAは任天堂の株式1.24%をそれぞれ取得する。また、今年秋の開始を目指し、ゲーム専用機やPC、スマートフォン、タブレットなどさまざまな端末に対応した会員制サービスを共同で開発していく。
 さらに、提携合意に合わせて、任天堂は新ゲーム機プラットフォーム「NX」(開発コードネーム)の開発を進めていることも明らかにした。これら一連の動きは何を目指したものなのか。会見に臨んだ任天堂の岩田聡社長、DeNAの守安功社長と報道陣とのやり取りは以下のとおり。

タイトルごとに是々非々でやっていく

――タイトルはいつ出て、どちらがビジネスの主体になるのか。

岩田:個々のタイトルの準備ができた段階で発表する。とはいえ、今年中にまったくアウトプットがないと、提携の意味がない。ゲームタイトルごとに両社の役割分担は変わる。世界に打ち出すときに任天堂がオモテに出たほうがいいとなれば、割合は大きくなるが、タイトルごとに是々非々でやっていく。

守安:多くの場合はフロントサイドを任天堂に作ってもらって、バックヤードをDeNAがやる。個々のタイトルによって役割が変わってくる。

岩田:フロントサイドはスマートデバイス上で動く部分。任天堂のほうがノウハウがある。サーバー側はDeNAのほうが知見がある。

――スマートデバイスに関して出した「答え」とは?

岩田:非常にシンプルだが、同じゲームを両社のプラットフォームに出さないということ。これまでも、別のデバイスにあったものをスマートデバイスに持っていくことは多かった。確かにそのゲームに触れる客は増えるが、満足が十分に得られない。すると価値が下がる。

スマートデバイスとゲーム専用機でそれぞれに展開すると、価格帯の違いが鮮明になって、客が納得いかない。スマートデバイスと専用機はまったく別物。そこが整理できたのが大きなポイント。のちのち任天堂が言っていた意味がわかるように展開していきたい。それは任天堂単独でやるより、有力なパートナーがいたほうがスムーズに展開できる。

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