任天堂とDeNA、二人三脚で何を狙う? スマホゲーム資本業務提携会見の詳報
――グローバルとは日本を含むのか。どこの市場を最初に考えているのか。
岩田:グローバルに日本を含まないということはありえない。スマートデバイスが一定以上普及しているところであればビジネスになるのが、この市場に出て行く大きな意味だ。
一方で、同時にできることはどんな組織でも有限。一度にすべての地域で展開できるかはこれからの話。どの地域でどう展開していくか確定し次第、お知らせする。今回は最初の一歩を踏み出すという発表だ。
子供が安心して遊べるものを大事に
――任天堂は一物一価で安心して遊べるということを売りにしてきた企業。子供たちにどう遊んでほしいか。
岩田:任天堂ブランドには、子供に安心して与えられる信頼が積み上がっている。これはとても大切な財産。こういう信頼を維持できるようにしたい。スマートデバイスのビジネスモデルも、今あるものにプラスアルファの工夫が必要。こういう風にすると収益が上げやすいというのは、今だけの話かもしれない。これからどんどん変わっていって、今後も続くとはかぎらない。
かつてのゲーム専用機の世界で10年かけて起こっていたことが、スマートデバイスの世界で一気に動いている感じもする。ビジネスモデルはどんどん変わっていく。そういう中で、子供に安心して遊べるというのを大事にしながら展開したい。
新興国の中には、ハードを買ってもらうハードルが高くて、なかなか任天堂の商品を買ってもらえない地域もある。スマートデバイスなら、その問題の一部は解決する。だが、もう一工夫が必要。今日は話さないが、もちろん考えている。
任天堂のIPを知ってもらうという意味では、世界中にハードを持っている人がいるので大きな意義がある。展開する国については、われわれの中で決めてから順次お知らせしていく。
――これまでスマートデバイスに進出しなかったハードルはどこにあった?
岩田:スマートデバイスの展開については、DeNAと深いところで中長期で考えて行こうと決めていた。お互いの経営に興味を持ち、日常的にいろいろな案件をやり取りしながら、戦略オプションをより深く、近くお話する意味で、資本提携する価値がある。話が煮詰まるにしたがって、ここまで行くならこれくらいの関係になったほうがいいということで、今日の発表に至った。
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