気鋭のベンチャー社長が「自動運転」に描く夢 自動車メーカーと対等な関係を築けるか

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――事業の裾野を広げるには、人が要りますね。

現在社員は50人いるが、2年以内に倍にしようと思っている。ただ、それだけ採用できるかどうか。優秀な人を採用しているので、結構落としている。海外はホームページ通じてしか応募していないが、それでもたくさんくる。初めて日本に来るという人も多い。

うちは日本語不問で英語ができればよしとしているし、エンジニアの半分は海外から採用すると決めている。だからみんな、インターナショナルカンパニーだと思って、日本という意識を持たずにやってくる。

スピード感を持って走って行きたい

たにぐち ひさし●1964年生まれ。群馬大学工学部卒。制御機器メーカーで商業車のABSの開発エンジニア、商社で技術営業などを担当した後、コンテンツ流通会社を起業。2001年にZMPを創業

――現在の売り上げ規模は?

売り上げ自体は非公開だが、2014年12月期は前年比で50%くらい増えた。倍にすることもできたが、今は将来のことを考えて人のほとんどを(生産などより)開発に充てている。それでも、売り上げは着実に伸びているし、ずっと黒字を維持している。

――年内上場の話も出ています。

そういう報道も出ていますが、私からは何も言えません。

――ロボットベンチャーには株主の期待も大きいです。たとえば(ロボットスーツを手掛ける)サイバーダインだと、株主が会社の夢や目標に投資しているという側面もあります。

確かに、ロボットタクシーに対する期待感は非常に高い。正直、うちには製品の問い合わせより、株の問い合わせのほうがむちゃくちゃ多い(笑)。なかなかお答えはできないのだけれど、対応はしている。

――今後、成長を続けるうえでの課題は?

スピードだ。たとえばロボットタクシーは、まず大都市の郊外でやるといいと思っている。お年寄りは朝、病院に行く人が多い。病院のそばにはスーパーもあるので、利用者が病院に行っている間に、スーパーで注文した食材や、コンビニに集荷された荷物を集めてきて、それを配送する。すると、空車とか空きスペースをより有効活用できるし、「買い物難民」問題も一気に解消できる。

こういうのが浸透してくると、技術というのは問題ではなくなってくる。たとえば(タクシー配車アプリの)Uberについては誰も技術の話はしていなくて、どのように使われているか、とか、どれだけの人が使っているか、という話をしている。多くの人に使ってもらうことでより使いやすくして世界中に広めていくということを、スピード感を持ってやれるかどうかがこれからの課題だ。

倉沢 美左 東洋経済 記者

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くらさわ みさ / Misa Kurasawa

米ニューヨーク大学ジャーナリズム学部/経済学部卒。東洋経済新報社ニューヨーク支局を経て、日本経済新聞社米州総局(ニューヨーク)の記者としてハイテク企業を中心に取材。米国に11年滞在後、2006年に東洋経済新報社入社。放送、電力業界などを担当する傍ら、米国のハイテク企業や経営者の取材も趣味的に続けている。2015年4月から東洋経済オンライン編集部に所属、2018年10月から副編集長。 中南米(とりわけブラジル)が好きで、「南米特集」を夢見ているが自分が現役中は難しい気がしている。歌も好き。

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