楽天が今度は配車サービスに出資した狙い

海外企業への連続出資は実を結ぶか

2014年来、海外企業への出資を加速させている楽天の三木谷浩史社長。海外企業との連携で「Beyond=その先」へ行くことはできるか(写真は今年1月に開かれた新春カンファレンス、撮影:尾形文繁)

楽天が海外企業への出資を加速させている。3月12日、スマートフォンを使った配車サービスを運営する米Lyft(リフト、カリフォルニア州)に3億ドル(約364億円)を出資することで合意したと発表した。

Lyftは2012年に米サンフランシスコで創業した未上場企業で、自動車を持つ個人と、その運転で移動したい利用者を仲介する「ライドシェア」のサービスをニューヨークやアトランタなど、米国の約60都市で展開。競合する米Uberと米国内で激しいシェア争いを繰り広げており、出資はサービス強化や人材獲得などに充てる。

利用者が払うのは「運賃」ではなく「寄付金」

今回、Lyftが実施する5回目の第三者割当増資は、楽天を筆頭の引受先として、総額5億3000万ドルを予定。出資後の楽天の持ち株比率は11.9%となる。Lyftは昨年、中国の電子商取引(EC)最大手のアリババグループからも出資を受けている。配車サービスではほかにもソフトバンクが1月、アリババなどとともに中国でタクシー配車サービスを手掛けるトラヴィス(杭州)に総額約700億円の出資合意を発表するなど、投資先として注目が高まっている。

Lyftのサービスは利用者がアプリから配車を求めると、登録された中から対応可能な運転手を探して打診。契約が成立すると、運転手は利用者が一目で判別できるよう、自動車前部に大きなピンク色の口ヒゲを模したモールを付けて迎えに行く。Lyftはビジネスモデルをタクシー配車とは異なる「相乗り」だとしており、白タク(無許可のタクシー)の規制に抵触しないように、利用者は運転手に「運賃」でなく、「寄付金」の名目で対価を支払い、Lyftは寄付金の20%を手数料として得る。

楽天が、遊休状態のものも含めたモノやサービスを共有して活用する「シェアリングエコノミー(共有型経済)」の分野に出資するのは今回が初めて。市場の成長性やサービスの競争力を評価し、大型投資に踏み切った。三木谷浩史社長は13日、代表理事を務める新経済連盟の会合後、取材に応じ「(シェアリングエコノミーは)すでに世界的な動きだ。利用者便益や日本経済発展のためにも、さらにシフトが進んでいく」と国内外での市場拡大の動きに期待を込めた。

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