「人望がない人」は、大体"話しすぎ"ている 職場で、どうすれば人はついてくる?

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そして読み込むということは、書いた人の真意、また書いた人さえも気づいていないおもしろさの本質に迫る作業なのです。人はえてして、自分のセンスに合致する要素を無意識に探しています。実用書を読んでいてもよくあるでしょう。「わかる、わかる」ってところだけを記憶して、自分に理解できないところは流し読みしてしまうこと。せっかく新しい知識を身に付けようと読んでいるのに、一体全体これは、どういうことなのでしょうか?

ちょっと話がずれましたが、とにかく新しいこと、おもしろいことというと、これまでと違ったものを目指しがちです。しかし長年一線で生き抜いてきたおふたりは、人々がわかる内容の中で、新しいことを考えろ!と示しておられます。形に惑わされず本質をつけ、ということなのだと思います。

正直、「サラリーマンNEO」を担当していた数年前の僕は、人と違うことをしている、これまでとは違うということだけで満足をしていました。でもおふたりとの出会いで目が覚めました。

おもしろいコミュニケーションを身に付けるための最後のメッセージは、いかにおもしろい人と出会うかです。おもしろい人と出会うと自分の価値観が根底から揺さぶられワクワクしてきます。慣れ親しんだ人々とするいつもの会話も楽しいですが、おもしろい会話を身に付けたければ、やはりおもしろい人と会話することです。

有名な人でなくても、おもしろい人はいます。特にその道のプロの話はとても参考になります。話しのネタも増やしてくれます。おもしろいコミュニケーションを実現するために、身の回りにいるおもしろい人には、恐れず積極的に声をかけてみましょう。絶対、嫌がられません。自分に興味を持ってくれる人は、どんな人でもうれしいものですから。

担ぎ上げてくれる周囲の人がいるからこそ

考えてみると、「おもしろい」というのは、「おもてなし」だと思います。

相手の気持ちから物事を考え、喜びを与えられる人、つまり「おもてなし」できる人が、おもしろい人です。裏を返せば、おもしろい人の周りには、その人のために何かしてお返ししようと思う人がたくさんいますそれが結果的にあなたを「おもしろい人」に担ぎ上げてくれます。「おもしろくしよう」「おもしろいって思われたい」ってひとりで頑張らないでください。まずは、「与える」ことです。人の気持ちに寄り添うことから始めましょう!

ただ最後に注意点を。決して善人になれということではありません。腹が立ったら、腹が立ったと認めることです。自分を客観的に見つめ、腹が立った、だけど「お茶ぐらいはもてなす」という余裕を持つことを、実践してみましょう。

そしてできたら瞑想にチャレンジしてみてください。自分とコミュニケーションをとってみてください。きっと新しいあなたを発見できます。毎日15分、寝る前に目を閉じるだけで、僕は人生が変わりましたので、ぜひおすすめします。

吉田 照幸 NHKエンタープライズ番組開発部エグゼクティブ・プロデューサー

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よしだ てるゆき / Yoshida Teruyuki

1969年、福岡県生まれ、山口県育ち。1993年NHK入局。NHKエンタープライズ番組開発部エグゼクティブ・プロデューサー。「のど自慢」「小朝が参りました」などエンターテイメント系の番組を中心に活躍。広島放送局を経て番組開発部移動後、2004年に「サラリーマンNEO」を企画、以後全シリーズの演出を担当。型破りな番組として人気を博す一方、タニタの社食、Google本社を日本のテレビ番組として初潜入、コントに日産のカルロス・ゴーン氏を引っ張り出すなど、話題となった

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