メルカリ山田氏「海外進出促すベンチャー政策を」 日本でもGAFAMと対等に戦える環境整備が必要

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岸田政権が力を注ぐスタートアップ支援政策。メルカリの山田進太郎CEOは、グローバルで成長を目指す会社の支援策が重要になると指摘する。

政府がスタートアップ政策を推進する中、メルカリの山田進太郎CEOは日本のスタートアップがグローバルに挑戦する環境の重要性を強調した(撮影:今井康一)

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2013年創業のフリマアプリ大手メルカリは、創業の翌年、日本のスタートアップの中でもいち早く巨大市場アメリカに進出した。日本での月間アクティブユーザー数が2000万人を超える中、アメリカでもなんとか500万人規模まで積み上げてきた。
岸田文雄政権が打ち出したスタートアップ政策では、起業促進や創業期のスタートアップに対する手厚い支援が想定されている(詳細は7月配信記事:ベンチャー振興の目玉「政府調達」に託す起死回生)。ただメルカリの山田進太郎CEOは、グローバルで成長を目指すスタートアップの後押し策も重要だと、自らの経験から痛感しているという。
世界で戦うための障壁や、政府に求める具体的な支援策とは。“古参起業家”ともいえる山田氏に話を聞いた。

当事者の抱く課題感と「異なる部分」が

――岸田政権が「スタートアップ創出元年」を謳い、起業や投資の促進を狙ったさまざまな政策を打ち出しています。メルカリを起業して10年が経とうとしている中、こうした動きをどう見ていますか。

2000年前後からこの業界にいるが、当時はインターネットのスタートアップは実社会との接点がそれほどなかったように思う。ポータルサイトやゲームなど、それら単独で成り立つようなものだった。その中で成功する会社が少しずつ出てきて、投資家や連続起業家が増え、エコシステム(生態系)が広がり、お金も集まるようになった。

スマートフォンが登場してからは、メルカリが金融や物流に関わっているように、既存のビジネスとインターネットの接点がすごく増えたと思う。既存の産業もネットを使ってビジネスをどう作るかを考えるようになり、スタートアップが身近になってきた。

すべての産業がDX(デジタル変革)されるといわれる中で、国として新しい産業をつくろうとしたときに、スタートアップが重要な存在になったということだと思う。国の姿勢は歓迎すべきことだ。僕自身も政治家や官僚から業界を取り巻く課題について聞かれることが増えてきた。

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