"動的な独占"こそが、技術革新を加速する ピーター・ティールが語る「成功する起業」
ほとんどの人が起業家になりたがらない
――今回の本は、大学の講義をまとめたものですが、「ゼロから1を生みだす」という能力は教育によって備わるものでしょうか。それとも生まれながらの能力でしょうか。
これはNature(ネイチャー、本質、性質)なのか、それともNurture(ナーチャー、育成するもの)なのか、という質問だと思います。言い換えれば遺伝子か、それとも環境かという質問です。私の答えは、両方とも必要だということです。
米国では起業家精神を非常に崇拝しています。しかし、起業家が大事であると思う一方で、実際には人々は起業家にはなりたくないとも思っています。カリフォルニアであっても、そして非常に起業家精神が旺盛だといわれているイスラエルであっても、実は起業家になりたいという人より、むしろ起業家になることに対して、心理的な抵抗を感じていたり、危険であると思っていたりする人のほうが多いのです。
起業家になるために、多くのことを学ぶことが可能です。ほかの会社よりいい会社をつくるためのコツというものも学ぶことはできます。私自身、ビジネスの戦略であるとか、どのように会社を創業したらいいのか、どのように重要な決定をするべきか、という点で、教えられることももちろんあります。
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