なぜ日本では「産後離婚」が多いのか? フジテレビ「残念な夫。」に見る、危ない夫婦
報道畑出身だからこそ生まれたテーマ
――子どもが生まれても自分の生活ペースを変えられず、なかなか父親になりきれない陽一と、そんな夫にいらだちを募らせる妻・知里という夫婦に共感しながら拝見しています。努力はしているものの、いちいちズレた行動で妻の怒りを買ってしまう陽一の姿は笑えますが、同情も湧きますね。今回、この企画はどのようにして生まれたのでしょうか?
今の上司はちょうど僕が報道にいたときの上司なのですが、その上司から「社会派なテーマを取り上げたドラマをやってほしい」と言われたのです。それでいろいろ案を出したうちのひとつが、この「産後離婚危機」というテーマでした。
僕自身初めて子どもが生まれたところで、「今、まさに」というテーマなのですが、本当は、だからこそやりたくなかったのです。あまりにも今そのまま経験していることなので、仕事とプライベートが入り混じるような気がして。だから、面白いテーマだなとは思いながらも、「いずれ、やろう」という感じでした。
でも、ほかの案を出してもなかなか決まらなかったので、「試しに」というつもりで出してみた。「こういうときに限って、決まるんだよな……」と思ってはいたのですが、上司の目に留まり、やはりこれに決まりました(笑)。
――実は、私も産後離婚を経験したひとりなのですが、この「産後離婚の危機」というものを、まだ知らない人も多いですよね?
そうでしょうね。僕はたまたま子どもが生まれる前から、この現象を知っていたのですが、「全母子世帯の3割が産後2年以内に離婚している」という話を初めて聞いたときは、「そうなのか!」と驚きました。
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