1月14日に閣議決定した平成27年度(2015年度)政府予算。そのうち防衛省予算は前年度比2.0%増で過去最大の4兆9801億円となる。しかし、補正予算案に盛り込まれた防衛費(2110億円)と合計すると5兆1911億円となり、「5兆円」という大台に乗る。「平成の大軍拡」と言っていいだろう。
補正予算は予期せぬ出費が発生した場合などに対応するためのもの。だが、今回は本予算で調達すべき兵器などが経済対策や災害復旧・復興加速化の名目で、補正予算の中で要求されていた点に大きな特徴がある。補正予算という「隠れ蓑」を使うことで、2015年度の防衛予算を抑制し、5兆円突破を防いだとみることもできる。
補正予算の中身とは?
補正予算の中身をみると、「1.経済対策(災害復旧・復興加速化など災害・危機管理への対応)」として616億円が要求されている。その1としては「自衛隊の災害対処能力の向上等として要求されており、航空機については大型輸送ヘリ、CH-47Jの改修、連絡偵察機LR-2を1機調達、車輛などでは軽装甲機動車43輛、NEC偵察車1輛、96式装甲車8輛、その他野外通信システム、個人用防護装備(防弾チョッキなど)、化学防護服などがリストに上がっている。これらは本来、すべて通常の防衛予算で要求すべきものだ。
またその2として「自衛隊の安定的な運用体制の確保」として526億円が島嶼部における拠点の整備(与那国島、那覇)、艦載型映像伝送装置等の整備、装備品の部品等の調達等が挙げられている。
さらに「防衛施設の円滑な運営の確保等」として440億円が防衛施設の安定的な運用の確保及び米軍再編の着実な実施のための経費として計上されており、厚木飛行場をはじめとする飛行場周辺の住宅防音工事の助成、在沖米海兵隊のグアム移転、普天間飛行場の移設に伴う施設整備、厚木飛行場から岩国飛行場への空母艦載機の移駐に伴う施設整備などが含まれている。
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