フラン急騰パニック、市場不安で日銀に試練

スイス国立銀行のユーロ買い中止の意味は?

スイスフランの急騰を受けて、ユーロへ両替するために列に並ぶスイスの人々 (写真:AP/アフロ)

スイス国立銀行(SNB)の突然の変心が金融市場を大混乱に陥れた。

1月15日にSNBは、スイスフラン(以下フラン)高の進行を防ぐために3年超続けていた、「フラン売り・ユーロ買い」の無制限介入を突如中止。1ユーロ=1.2フランに設定していた上限を撤廃した。

この発表を受けて、フラン買い・ユーロ売りの注文が殺到。フランは一時1ユーロ=0.86フランまで4割急騰した。

この4割の変動とは、日本円と米ドルの関係に当てはめてみると、1ドル=115円だった為替レートが一気に82円になるほどのすさまじさだ。取引量で米ドル、ユーロ、円、ポンド、豪ドルに次ぐ地位を占めているフランが急変動したことは、事態の大きさを物語っている。

ユーロ安を止めきれず

今回のSNBの政策変更はほぼ誰もが予想していなかった。国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は「(事前に)私に連絡がなかったのは驚きだ」とSNBを批判する。

だがSNBは、フラン高圧力の高まりに最近苦慮してきた。スイスの名目GDP(国内総生産)に占める輸出の割合は72%と、日本の16%を大きく上回る(2013年、サービス輸出を含む)。その輸出のうちユーロ圏向けは非常に多く(商品輸出では5割)、フラン高ユーロ安のマイナス影響は大きい。

しかし、デフレ対策として欧州中央銀行(ECB)は、14年6月にマイナス金利を導入。世界的にも原油価格が急落するなどリスク回避ムードの中、双子(経常収支、財政収支)の黒字を抱えたスイス通貨は安全資産として認識され、需要が高まっていた。

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