暴れん坊Uberが東京で受け入れられるワケ 各国で規制違反が問題に、一方で日本は?

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高橋正巳●米シカゴ大学を卒業後、ソニー入社。液晶テレビの新ブランド「ブラビア」を全世界で立ち上げた後、仏パリに赴任しフランス国内のテレビ事業のプロダクトマネージャーを務める。仏INSEADでMBAを取得後、米サンフランシスコにてベンチャー企業の買収・投資案件及び事業売却の遂行を担当。2014年7月にUber Technologies, Inc.に入社し、日本法人の執行役員社長に就任。

海外の方の利用も多い。現在Uberは世界54カ国、250都市以上で展開をしているが、世界中どこへいってもアプリの設定を何一つ変えず、まったく同じやり方でサービスを使えるというのがわれわれの強みだ。この利便性はなかなか真似できないと思っている。

海外で日常的にUberを使っているユーザーは増え続けており、そうした方が東京に来て使うケースもよく見られる。自分の言語で行き先の指定などができ、その情報がドライバーにも伝わるので、知らない土地や言語でも、問題なく移動することができる。さらに支払いもクレジットカードで自動的にできるため、現地の通貨を持つ必要もない。2020年に向けて訪日者が増加していく中で、Uberは重要な役割を果たしていくと考える。 

――パートナー企業はどうやって探しているのでしょうか。

ディスカッションはつねに色々なところでやっている。Uberのようなサービスがこれまで日本になかったので、パートナー候補に対してはUberがどのような価値を生むかをていねいに説明している。タクシー会社であれば、空車のときに配車を受けられる状態にすることで、実車率を上げられると提案している。ハイヤー会社に対しては、Uberと組むことでより効率的に車両やドライバーを活かせるようになる、といったことを話している。

 タクシー会社からの問い合わせも増えた

また、約1年間サービスを提供してそれなりに実績もあるので、利用者の生の声やデータなどを示すことで「得体の知れない新しい会社」ではない、という安心感も与えられるようになっている。

一方、既存のパートナー企業からの紹介も少なくない。ここまで一緒にやって信頼関係が築けたことで、パートナーがほかの企業に声をかけてくれることもある。また、最近はわれわれのことをどこかで知って、問い合わせをもらうケースも増えている。

――タクシーとハイヤーでは戦略が異なると思いますが、たとえば配車台数や利用者の数など、目標としている数値はありますか。

最も重要視しているのは、到着までの平均時間だ。やはり需要と供給のマッチングなので、台数だけで判断してしまうと、たとえば需要のない時間に過剰な台数があったとしても、われわれにもドライバーにとっても、まったくビジネスにつながらない。なので、台数ありきでは考えておらず、データを見ながら需要のある時間帯に、需要のある場所にちゃんと配車できるか、ということを重要視している。

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