林原が会社更生法申請に切り替え、中国銀行の負担増す可能性も

林原が会社更生法申請に切り替え、中国銀行の負担増す可能性も

中国銀行の筆頭株主で経営が行き詰まっていた林原グループが、会社更生法申請を決めた。事業再生ADRを申請していたが、本日開催された第1回の債権者会議で取引銀行の間で意見が対立して紛糾、休憩時間のあと、会社更生法への切り替えが表明された。

債権者会議では、融資を株式に切り替えるDES(デット・エクイティ・スワップ)の額の算定に際して、メインバンクの中国銀行が保全部分を除いて融資総額に対して行ってもかまわない、と支援姿勢を鮮明にしたが、一部保全を行っている住友信託銀行はそうした扱いに難色を示したという。

これに対し、保全を行っていない他の各行やシンジケートローンをアレンジしたみずほ銀行からは、「そもそも保全をしていたことを知らなかった」「偏頗的(へんぱてき)保全には問題がある」との議論が噴出したという。長年にわたる粉飾決算がありながら、私的整理を行うことに対しても、疑問の声が出た。

そもそも、報道により林原グループの信用力は、すでに著しく毀損しており、仕入れが困難になり、在庫も枯渇するなど、本業が急を要する事態に陥っており、取引先とのつながりを維持しながらの再生、という私的整理のメリットも得られないという判断があったという。

中国銀行は、2月8日にいったん延期した決算発表期日は変えず、今2011年3月期通期の業績予想もそのときに発表する、としている。融資総額455億円に対して、担保としては岡山駅前の土地や有価証券を保有している。だが、法的整理に切り替わったことで、土地に関しては、詐害行為として保全を認められない可能性がある。本登記を行ったのが、メインバンクとして林原の経営の行き詰まりを知ったあとの昨年12月だからだ。

中国銀行側は根抵当権の設定をすでに2005年に行っているため、現時点では、否認はされないものとの判断から、そうした担保の評価を行って非保全部分の198億円についてのみ、引き当てを積む意向。その結果、10年10~12月期(第3四半期)は赤字となるものの、通期は黒字を確保したい、としている。

しかしながら、林原の経営の行き詰まりを知ってからの対抗要件の取得ということから否認されるおそれもあり、その場合は同行初の赤字転落となる可能性もある。

もう1つの問題は、林原グループが保有する中国銀行株の扱いだ。林原側からみれば資産売却の対象で、時価で約250億円に相当する。これを、中国銀行が自己株取得する話も出ている。

中国銀行のTier1自己資本は10年9月末で3607億円ある。多く見積もって、自己株取得による控除で250億円、林原向け融資が400億円の引き当てを要し、仮に240億円程度の赤字に陥ったとしても、Tier1比率11%は守れる計算だ。ただ、バランスシートが問題となる水準ではないとはいえ、財務が地銀のなかでも飛び抜けて良好だった状態からは大きく後退を余儀なくされそうだ。

「東洋経済オンライン」は不確定要素が多いため、現時点では予想数字を据え置いている。

(大崎 明子 =東洋経済オンライン)


《東洋経済・最新業績予想》
(百万円)   経常収益  業務純益 経常利益  当期利益
連本2010.03  135,509 ・・ 18,356 10,255
連本2011.03予 129,000 ・・ 28,000 15,800
連本2012.03予 128,000 ・・ 28,000 15,800
連中2010.09  67,530 ・・ 13,159 7,788
連中2011.09予 66,000 ・・ 14,000 7,900
-----------------------------------------------------------
         1株益¥ 1株配¥
連本2010.03  44.4 12 
連本2011.03予 68.3 13-15 
連本2012.03予 68.3 13-15 
連中2010.09  33.7 6.5 
連中2011.09予 34.2 6.5 
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