電子辞書、気が付けばカシオの独壇場 止まらぬ進化、発音確認機能なども
英語学習において必携ともいえる電子辞書。英和や和英だけではなく、今や医薬品から家事まで、あらゆる分野のコンテンツを網羅している。そして、コンテンツ拡充に伴って平均価格も上昇の一途をたどってきた。
一口に電子辞書といっても、100を超えるコンテンツを備える本格型と、英和など数コンテンツに絞った安価なものに大別される。前者の価格はおおむね2万~3万円だが、後者はその10分の1の2000~3000円だ。
1990年代までの電子辞書黎明期は、後者の安価モデルがメインだった。機能は単語帳に毛が生えたものであり、主に社会人向けに売られていた。
内容充実が価格を押し上げ
現在一般的になっている、辞書の文字情報をフル収録した本格モデルが初めて登場したのは、1992年にセイコーインスツル(SII)が発売した「TR700」からだ。そこから2000年までは単価は上昇したものの、社会人の英語学習補助という用途にとどまっていたため、平均単価は大きく伸びなかった。
転機が訪れたのは2001年、カシオ計算機が古語辞典を収録したモデルを高校生向けに投入してからだ。学校での利用が一般化するに従って本格機種が安価機種に置き換わり、平均単価が大きく上昇した。
学校への普及と同時に起きたのがコンテンツ数の競争だ。1992年の「TR700」に入っているフルコンテンツは英和、和英辞典のわずか二つだったが、その後爆発的に増加。付加価値の増大が平均価格を押し上げた。
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