インフルエンザの治療法が続々登場、新薬の実力

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 とはいえ油断は禁物だ。厚労省は昨年12月24日、インフルエンザの流行シーズン入りを宣言した。新型インフルエンザで大騒ぎとなった09年と異なり、「平年並みの流行期入り」(厚労省)。しかし、今冬は季節性インフルエンザ(A香港型、B型)と新型の両方が流行する可能性が指摘されている。

「小児から成人、高齢者まで広い年齢層で重症化するおそれがあるという点で、昨シーズン以上に気を引き締める必要がある」

インフルエンザ治療に詳しい菅谷憲夫・神奈川県警友会けいゆう病院医師(日本感染症学会新型インフルエンザ対策委員)はこう指摘する。

「A香港型がはやると、高齢者(65歳以上)が肺炎で亡くなる可能性が高まる。一方、1~3歳の小児では脳症や脳炎による死亡が懸念される。09~10年の新型インフルエンザ大流行時には、30代後半から50代の働き盛りの人が高齢者よりも多く亡くなっている」(菅谷医師)

治療薬は一長一短 早期治療で重症化防止

どの薬で治療を受けるにしても、かかったら早期の受診が肝心。治療開始が遅れてしまうと重症化につながる可能性があるためだ。「発症から48時間以上経って治療薬の投与を受けても、十分な効果は期待できない。放置すると4~5日経ってから肺炎を起こすおそれもあり、治療方法は限られてしまう」(菅谷医師)。

それでは、治療薬はどのように使い分けたらよいのだろうか。

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