"廃墟モール"ピエリ守山、再生への処方箋 立地条件のマイナスをどうハネ返す?
琵琶湖の南岸に位置する滋賀県守山市。12月17日、この地で注目の商業施設がリニューアルオープンした。「ピエリ守山」。かつて“明るい廃墟”として、インターネット上などで話題となったショッピングモールだ。
この施設が開業したのは、ファンドバブル華やかなりし2008年9月。開発業者はオープン後すぐに、外資系ファンドに売却する計画だった。が、開業に前後してリーマンショックが発生。ファンドへの売却話は頓挫した。
加えて同年11月には、近隣にライバル店が次々と開業。ピエリに入居するテナントは苦境に陥ったが、売却しか念頭になかった開発業者は適切な手が打てないままだった。
こうした中、テナントが立て続けにピエリから撤退を始める。2010年には、資金繰りの悪化などから、開発業者が民事再生法の適用を申請。債権者への弁済のため、ピエリの営業は続けられた。
地元客を掘り起こす戦略
この施設の売却話が関西地盤の不動産業者、サムティに届いたのは2013年6月。精査の結果、琵琶湖岸というロケーションや設備にポテンシャルを感じ取った同社は、3カ月後に購入を決めた。
新生ピエリの目玉は、滋賀県初出店のH&M、OLD NAVYを含む、6ブランドの外資系ファストファッション。これまでは京都市内まで足を延ばさないと手に入らなかった、これらのブランドを訴求材料に、地元客を掘り起こす戦略だ。
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