NTT社長「光コラボで面白いものが出てくる」 稼ぎ頭のドコモが変調、どうするNTT(下)

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うのうら・ひろお 1973年日本電信電話公社(現 日本電信電話)入社。2007年常務取締役。NTTインベストメント・パートナーズ社長、08年副社長を経て12年6月より現職

――光回線の卸価格について、NTTはパートナー企業とは戸建て向け3500円、マンション向け2500円で交渉している。価格が高いとの声もあるが。

 価格は公表していないのでノーコメント。ただし、初期設定の価格は効率化によって下げていく努力が必要だ。NTT西日本の「どーんと割」(新規ユーザーに対し最初の2年間の料金を割り引く。ファミリータイプの場合、1~2年目は3610円で利用できる)の価格を考えると、卸価格が高いといった指摘もあるが、こうした安売りは近く終わる予定だ。

――つまり、NTT東西はサービスの裏方に徹し、個人向けから法人へ提案営業するモデルに大きく変わる。

長いスパンで取り組まなければならないが、できるだけ早い段階で実際の成功事例を生み出したい。そうすればシフトも進むだろう。新規プレーヤーが参入する局面は絶対にあるので、それまでに成功事例を出していく。

クラウドは「北米発、新興国へ」

――光コラボを推し進めることで、NTTデータやNTTコミュニケーションズ(NTTコム)の海外戦略に影響はあるか?

 方針は変わらない。基本的にはクラウドへ移行する顧客のニーズは多い。そうした中で、グループは顧客基盤を拡大しており、まだチャンスがある。今までは、NTTデータの顧客にNTTコムやディメンションデータ(南アフリカ、持ち株会社傘下)が参加する「クロスセル」を広げてきた。これによって北米で大型受注も獲得できた。クロスセルの売上高は今上期で120億円弱ほどだ。

 グループで協力したことで、グローバルプレーヤーの新規案件も獲得できるようになった。米国の金融機関やドイツの自動車メーカーなどだ。それぞれの会社の努力もあるが、グループとしてブランド力が上がっていると評価できる。実際、「NTTグル-プに頼めばそこまでカバーしてもらえるのか」という顧客の声 も出てきている。未開拓分野はあるし、もともとクラウドについては「北米発、新興国へ」と言っている。北米の成功事例を広げていきたい。

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